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テラ Research Memo(7):薬事承認されれば業績は飛躍ステージへ


■今後の見通し

3. 今後の成長戦略
テラ<2191>では今後の成長戦略として、医薬品事業が収益化するまでは細胞医療事業の収益を拡大していくことで、医薬品事業の開発費用の一部を賄っていく方針となっている。医薬品事業については、提携先企業(製薬企業や再生医療関連企業)とのライセンス契約締結を早期に実現できるよう取り組んでいくほか、樹状細胞ワクチンの薬事承認申請についても2022年という目標を設定しているが、なるべく早期に申請できるよう樹状細胞ワクチンの供給体制の強化も進めていく。2022年に承認申請できれば、遅くとも2024年には国内初のがん治療用樹状細胞ワクチンとして上市されることになり、収益貢献が見込めることになる。また、膵臓がん以外のがん種についても、薬効が期待できるがん種に関しては治験を進め、適応症を増やしながら収益を拡大していく戦略となる。

なお、細胞医療事業に関しては、樹状細胞ワクチン療法の改良等による新サービスの提供も開始する計画となっている。具体的には、ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法※について2018年中のサービス提供を目指している。また、その他の新規ペプチドについての開発も継続して進めている。

※ネオアンチゲンとは腫瘍特異的変異抗原とも呼ばれ、がん細胞独自の遺伝子変異に伴って新たに生まれた変異抗原のことで、正常な細胞には発現せず、また個々の患者で異なることが特徴となっている。従来のWT-1抗原を用いた樹状細胞ワクチン療法との違いとして、個々の患者に由来するネオアンチゲンを特定して樹状細胞ワクチンを製造するため、がん細胞に対する特異性が高まり「究極の個別化医療」になると期待されている。


また、予防を目的とした樹状細胞ワクチン療法についての研究開発も進めている。樹状細胞ワクチンの効果は、患者の栄養状態が良好な早期のほうがより高い効果を得られることが臨床研究等のデータで確認されているためだ。ただし、再発予防等の効果があるかどうかを科学的に証明するには長期の追跡調査が必要となっており、今後の課題となっている。再発予防用途としても実用化されることになれば、潜在患者数はさらに広がるだけにその動向が注目される。


■株主還元策
薬事承認を最優先課題に当面は無配を継続方針

同社は株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置付けている。ただし、現状は樹状細胞ワクチンの薬事承認を目指すことが経営の最優先課題であること、また、当面は治験費用等が相当額見込まれる状況であることなどを総合的に判断して、無配を継続する方針となっている。今後、安定して期間利益が出始め、財務基盤が充実した段階で、復配を検討していくものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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