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東大仮想通貨研究所:ビットコインに忍び寄るバブル崩壊の影【FISCOソーシャルレポーター】


以下は、フィスコソーシャルレポーターの東大仮想通貨研究所(情報発信ページ「http://ut1c.com/」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2017年1月10日17時に執筆

ビットコインはバブルだ。そう言われた時、多くのビットコインの未来に肯定的な投資家たちはこう答える。

それは、ビットコインが5万円の頃からずっと言われてきたことだ——、と。だが、そのビットコイン価格も一時200万近くまで高騰した今(昨年12月に230万円超の最高値を付けた)、とうとう崩壊の日は近くなっているといえるかもしれない。その根拠は主に3点ある。

第1の根拠は、仮想通貨市場への新規参入者数が臨界点に達している可能性がある、ということだ。新規参入者が増え続ける限り、その分仮想通貨市場全体の資金量が増加するのだから、その基軸通貨であるビットコインの価格が上昇し続けるのは当然の話だ。実際、ビットコイン誕生から現在に至るまでの価格上昇、特に2017年に見られた急騰はこの原理によって起こったと考えて差し支えない。

だが、ビットコインの人類史上稀に見る急騰は、皮肉にも世間の注目を一気に高めることとなった。日本でも2017年末にかけて大手の取引所がテレビCMを打ち出したことで、投資やテクノロジーへのリテラシーが高くない一般層までが、押しかけるようにビットコイン、あるいは仮想通貨投資に資金を投じた。そしてその流れは既に一段落しつつある。Googleトレンドで、「ビットコイン」というワードの検索数の推移データを閲覧してみると、2017年12月20日前後を頂点に、1月6日には6割程度までに減少しているのだ。
(これはあくまで日本の話で、世界はどうなのだと反論されそうだが、検索ワード「bitcoin」に関しては同時期比で4割程度である。)

こうなってはもはや、今までのような新規参入者による強力な買い支えに期待することはできないだろう。

第2の根拠は、ビットコインの性能に本格的な疑問が呈され始めていることだろう。2017年末にかけてビットコインに一気に注目が高まったこともあり、その取引量も増加したが、その際、ビットコインの送金手数料は4000円前後まで高騰し、送金に1.2日程度かかるという事態が生じた。ビットコインは本当に将来の決済手段として利用されるのか。

この懸念は翻って投資家に、ビットコインより性能の高い、他の仮想通貨(アルトコイン)がビットコインにとって代わるのではないかという期待を抱かせた。年末年始にかけてメジャーアルトコインの一つであり、送金に数秒しかからず、送金手数料も安価なリップルの価格が10倍以上に高騰し、一時ビットコインの時価総額の60%を上回る結果となった。リップル価格は現在では調整が入り落ち着いているが、今度はリップルを抜いて時価総額2位に返り咲いたイーサリアムが勢いを増し、ビットコインを追撃しているという状況だ。ビットコインが単独のアルトコインにここまで迫られたのは、前代未聞であり、やはりその性能部分に関して投資家の厳しい目が向けられ始めている証左だろう。

第3の根拠は、ここ最近の市場心理が非常に憶病になっている、ということだ。昨年末から年始にかけて、些細なニュースや、真偽不明のニュースに踊らされて一時的な大暴落をすることが幾度もあった。ウクライナの取引所で1200億円分のビットコインの盗難が起きたという噂。韓国で取引所が全面規制されるかもしれないという噂。大手仮想通貨価格比較サイトで、価格表示の算出方法を変えたことで、そのサイト上でのみ仮想通貨の価格が下がったように見えたこと。いずれも噂が否定されることや、ショックが一段落したことで、数時間から数日で下落幅を回復してはいるものの、このような些細な事実や風説で数十%の下落を記録することは、以前は考えられなかった。このような値動きから、いつバブルが崩壊するか、と戦々恐々としている投資家たちの心理が垣間見える。

以上3つの根拠から、ビットコインバブル崩壊の日は案外近いのではないか、というのが筆者の見立てだ。とはいえ、筆者がほかの「ビットコインバブル崩壊論者」と異なるのは、筆者自身もわずかながらビットコインの投資家であり、心の中ではちゃっかり価格高騰、仮想通貨市場の持続的な発展を望んでいることだ。バブル崩壊を回避する逆転の一手は、性能問題の解決と考えている。開発サイドやコミュニティ、マイナーたちの努力に期待したいところだ。

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執筆者名:東大生N
ブログ名:東大仮想通貨研究所




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