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カルナバイオサイエンス---17年12月期は減収。18~20年の中期経営計画を発表


カルナバイオサイエンス<4572>は9日、2017年12月期連結決算を発表した。売上高が前期比19.0%減の6.57億円、営業損失が6.99億円(前年同期は4.23億円の損失)、経常損失が7.11億円(同4.40億円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が7.37億円(同2.89億円の損失)となった。

創薬事業おいてはリウマチなどの免疫炎症疾患を対象とした医薬品候補化合物AS-871および血液がん等のがん領域を対象とした化合物CB-1763という2つのBTK阻害薬プログラムが前臨床段階にステージアップし、AS-871ではGLP基準に基づく前臨床試験用の化合物の大量合成も進められている。また、2016年5月に、同社がSierra Oncology社に導出したがん領域のCDC7阻害剤AS-141(Sierra社の開発番号:SRA141)は、同社における臨床試験の開始に伴うマイルストーン収入を当期中に予定していたが、順調に前臨床試験は進んでいるものの、臨床試験の開始が翌期以降になったことから、売上高はなく(前年同期は0.98億円の売上高)、営業損失は8.41億円(同6.16億円の損失)となった。

創薬支援事業においては、キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービスおよびセルベースアッセイサービスの提供等により、売上高は前年同期比7.7%減の6.57億円、営業利益は同25.6%減の1.42億円となった。国内売上高は同15.8%減、北米地域は同5.4%増、欧州地域は9.2%減、その他地域は31.7%増となった。

2018年12月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比81.1%増の11.90億円、営業損失が6.79億円、経常損失が6.94億円、親会社株主に帰属する当期純損失が7.58億円を見込んでいる。

また、同日に中期経営計画(2018年12月期-2020年12月期)を発表した。基本方針は、複数の創薬パイプラインの導出(グローバルライセンスアウト)、自社臨床試験の開始、創薬支援事業における安定的な収益の確保である。

創薬事業では、創薬パイプラインの研究開発を着実に進展させ、その成果を事業化するために、製薬企業等への導出活動に積極的に取り組み、事業価値の拡大を目指す。創薬支援事業では、年間10億円の売上を継続して計上するような事業基盤を構築していく。

財務戦略としては、先行投資が必要な創薬事業の研究開発資金に、創薬支援事業で獲得したキャッシュ・フロー及び創薬事業で獲得した契約一時金、マイルストーン収入およびロイヤリティ収入を充当し、当社創薬パイプラインのステージアップを図り、事業価値を高めていく。

創薬事業の研究開発における先行投資を目的とした資金調達として、現在行使価額修正条項付き第16回新株予約権及び行使価額将来設定型第17回新株予約権を用いた資金調達を行なっていて、2.87億円の調達が完了している。また、2018年度には0.63億円の設備投資を計画している。


<MW>

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