■sMedio<3913>の中長期の成長戦略

前期発表した成長戦略から比べると、PC領域でのロイヤリティ収入の減少、円高による円建て売上の減少、自社ソリューションの展開遅れによるサブスクリプション収入の伸び悩み、など基本的な収益モデルの拡張にやや時間を要しており、ここに課題が見えてきた。既に対策は以下のように講じられ、営業活動が推進中である。

(1) ライセンス・ロイヤリティ売上の維持・拡大に向けた施策
2017年5月のミックステクノロジーズ完全子会社化による新しいコア技術の獲得を行った。これまでの主力技術であるBlu-ray/DVD再生技術に加え、放送・通信系におけるコア技術となる組込みブラウザ「tourbillon3」を獲得した。これによって、2020年放送サービスの高度化、東京オリンピックに向けた需要を取り込み、ライセンス売上への貢献が期待できる。

また、シャープ<6753>との更なる連携による製品展開として、Ultra HD Blu-ray再生ソフトウェア「VAlution BD」をシャープAQUOSブルーレイBDレコーダーに提供・搭載を開始した。同社とシャープの共同開発の再生ソフトウェアを搭載したAQUOSブルーレイ UTシリーズは、4K解像度のTVと組み合わせることで、高画質再生機能を楽しむことができる、“4Kテレビのためのレコーダー”となっている。

ライセンス・ロイヤリティ収入は同社の売上高の7割超を占め、将来的にも柱となる収益源である。直近でややそれが減少しているが、対象となる製品群の領域展開にまだ余地があるとして、今後はM&Aも含む事業連携で幅広い製品戦略を推進するとしている。

(2) サブスクリプション売上の拡大(クラウドファースト)に向けた施策
自社ソリューションの再販加速とともに、他社との連携、他社ソリューションの再販を始動させた。注力している分野は、サイネージ・システム、ヘルスケア・システムなどである。例えば、カメラ映像をエッジコンピューティングのAIエンジンで処理を行い、クラウドにて視聴者の年齢、性別などの特徴データを分析し、最適な広告をサイネージに表示する。

また、JSバックアップ7.5百万ダウンロード・ライセンス実績を活用したCPI広告ビジネスの展開なども行っている。

さらに、中長期の成長戦略においては、2017年5月に完全子会社化したミックステクノロジーズを始め、積極的な事業提携・M&Aによって事業拡大することが不可欠と考えられる。必要資金は一定程度保有しており、同社の推進するソフトウェア事業領域でシナジーが発揮できる企業を発掘し、機動的に資金投入を行うことが今後とも可能である。

第2四半期実績においては、ライセンス・ロイヤリティ収入の減少となったが、中長期的にみてもライセンス・ロイヤリティ収入が同社の収益の柱であることは間違いない。対象機器の出荷数については顧客であるメーカーと市場環境に左右されるもので、同社にとって直接コントロールはできない。しかし、相手先メーカーや製品ラインアップを拡大・強化していくことで今後とも十分に成長していけるものと考えられる。特に、2020年の東京オリンピックに向けて、TV放送・録画やセキュリティ関連などの機器・サービスは有望な領域だろう。また、サブスクリプション収入は、安定的な収益源となるもので、ライセンス・ロイヤリティ収入に次ぐ第2の柱としての成長が期待される。同社は保有する技術力を生かして、シナジーの発揮できる製品・サービス領域に展開しており、積極的なM&Aも行いつつ堅実な経営方針で今後とも成長が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)

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情報提供元:FISCO
記事名:「sMedio Research Memo(8):ロイヤリティ収入の減少などで基本的収益モデルの見直し・拡張図る