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きちり Research Memo(2):カジュアルダイニング「KICHIRI」をベースに、レストラン業態へと展開【1】


■会社概要

1. 会社沿革
きちり<3082>は1998年に現代表取締役社長の平川昌紀(ひらかわまさのり)氏によって、飲食事業を目的に有限会社吉利として大阪で創業されたのが始まりとなる。社名の由来は中国の三国志で登場する武将、曹操の幼名「吉利」から取っている。曹操のような強いリーダーシップによってフードサービス業界で新たな業界スタンダードを創り出すという想いを込めて名付けられた。

当初はFC(フランチャイズチェーン)展開による事業拡大を目指し、大手ハンバーガーチェーンのフランチャイジーとしてスタート、同時にダイニング業態の直営店舗事業にも取り組んでいく。平均予算で3,000円台と比較的低価格で、お洒落感を持たせた店舗づくりのカジュアルダイニング「KICHIRI」を2002年に出店し、女性客を中心に関西で次第に人気化し、店舗数を拡大していった。

東京進出は2006年で当初は、関西と同様のコンセプトで店舗運営を行っていたが、競争が激しく当初数年間は苦戦が続いた。しかし、2008年にラグジュアリー感を持たせた新日本様式スタイルと呼ばれる高価格帯(平均予算4,500~5,000円)の店舗を恵比寿に開店して以降は顧客の支持を獲得し、渋谷、新宿、銀座と相次いで出店を進め、関東においても事業を軌道に乗せていった。2010年以降は新業態として「いしがまやハンバーグ」などレストラン業態へも首都圏の大型商業施設を中心に展開し始めている。また、他業界の企業・団体とのコラボレーションによる飲食店舗の運営(ブランド・コンテンツ活用型事業)も2012年の「丸の内タニタ食堂」を皮切りに実績を積み重ねているほか、2016年には遊休不動産を活用したリノベーション戦略型の店舗「Anchor Point」を開店するなど、新たな発想に基づく業態開発を積極的に進めている。

なお、株式上場は2007年で、当時の大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場し、2013年3月に東京証券取引所第2部に、2014年5月に同第1部に上場を果たしている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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