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アドバネクス Research Memo(9):医療機器市場ディスポーザル(使い捨て)器具の需要増が見込める


■事業戦略

医療機器——高シェア製品が高収益を上げる

アドバネクス<5998>の2016年3月期の医療市場向け売上高は1,878百万円、売上高構成比は9.4%であった。中計では、2020年3月期の売上高構成比を10.0%に引き上げる計画でいる。

医療機器向けは、グローバルニッチトップ企業を目指す同社に適した市場になる。世界人口の増加、全世界の医療費支出の増加を背景に、安定的な市場拡大が期待される。市場のトレンドとして、セルフケアの進展によりディスポーザル器具の需要増加が見込める。モデルチェンジが少なく、長いライフサイクルと高収益が商品特性になる。一方、ネガティブ要素としては、開発・試作コスト、長い試験期間、企画中止のリスクが挙げられる。ネガティブ要素が参入障壁の高さになっているため、それらをクリアできれば、安定的かつ高収益を享受できることになる。

その好例が、英国子会社の医療用精密ばね製品である。売上高の4割強を占め、同子会社の高収益に寄与している。1999年に欧州の大手医薬品メーカーから喘息薬の定量噴霧式吸入器に使われる精密ばねを受注したことが飛躍のきっかけとなった。他社製品では基準をクリアできなかったが、同社の新潟工場で開発したばねが合格し、受注に成功した。製造装置を英国に移送し、量産を開始した。

同社は、喘息薬吸入器、インスリン注入器、自動採血器などに、線ばね、板ばね、深絞り部品を供給している。喘息薬吸入器は薬を一定量噴射する機能を有し、自分で持ち運んで処方するディスポーザル製品である。同社は押しばねを供給しており、2018年頃から生産地域を米国へ拡大する。インスリン注入器は、糖尿病患者などが使用するセルフメディケーションキットでこちらもディスポーザルである。同社では押しばね、トーションばね、深絞り加工部品を供給しているが、2020年頃からそれらの部品のセット供給を開始する。また、糖尿病患者は血糖自己測定のため採血をする。検査具となる自動採血器には、線ばねを供給している。現在の生産拠点は中国だが、将来インドや他の新興国への拠点展開を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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