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ゴム相場は新型コロナウイルスの影響で下落~もっと知りたい商品先物取引


みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。前回のコラムでは、新型コロナウイルスによる中国での需要減速懸念が、ゴム相場にも波及し、下落していることをお伝えしました。今回は、この相場下落の詳細と、今後の見通しについてご説明します。

■ゴム相場は急落も、足元で上昇
まず最近のゴム相場の値動きを振り返ってみましょう。東京商品取引所(TOCOM)ゴム相場(ゴムRSS先限)は1月17日に直近の高値である208.7円をつけた後に急落し、2月4日には165.5円の安値をつけました。ただ2月4日を安値とし、2月14日には184.5円まで反転上昇しています。

■新型コロナウイルスの拡大、低調な中国の新車販売台数が下落要因
ゴム相場の2月4日までの急落の背景について詳しくご説明します。冒頭でお話しました通り、主な下落要因は中国での新型コロナウイルス感染拡大です。中国は、世界の天然ゴム消費のうちおよそ40%を占めています。そのため、中国での消費減少はゴム市場全体にも広く波及してしまうのです。また、ゴム相場の下落を後押しする要因は他にもあります。それは中国にて新車販売台数が落ち込んでいることです。2019年の新車販売台数が前年比8.2%減で、2年連続で前年比マイナスとなり、減少幅も18年の2.8%から拡大しました。米中貿易摩擦の長期化で中国経済の先行きを不安に思う人が増え、結果、新車購入を控える中間層が増えたとみられます。自動車需要はタイヤ需要、そしてゴム需要に繋がるので、大きな価格変動要因なのです。

■需給バランスは大きく崩れないかもしれない
それでは、上記のようなゴム相場の下落要因がありつつも、2月4日の安値で下げ止まっているのはなぜなのでしょうか。上昇要因も存在するからです。そのうちの一つが、ゴムの木にとって深刻な病気である「真菌病」の拡大懸念です。ゴムの木の葉っぱが枯れてしまう病気で、葉っぱが枯れると木は光合成ができなくなり、ゴムの材料になる樹液がとれなくなってしまうのです。真菌病は昨年よりインドネシアで拡大し、それがマレーシアやタイにも及んでいます。さらにもう一つの上昇要因は、3~4月がタイにてゴムの減産期にあたることです。ゴムの木の葉は1年に1度葉っぱが落ちる時期を迎えるのですが、この際にゴムの供給量が減少します。

■ゴム相場、今後の見通し
これらのゴム相場の減少要因、上昇要因を踏まえると、中国でのゴム需要のマイナス分が、真菌病や季節的要因で相殺されるとみることもできます。相殺されないにしても、需給バランスが大きく崩れることがない可能性も考えることができます。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ




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