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原油相場が軟化している原因とは~もっと知りたい商品先物取引


みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。前回のコラムでは、具体的にどの国が主に金を買っているのか、そしてその動向についてお伝えしました。今回は最近の原油相場の動向とその原因についてお伝えしてまいります。

■米中貿易摩擦で世界の景気は減速
足元ではコモディティ市場全体が軟化している中で、原油相場も軟調となっています。具体的な数値を見てみると、NY原油は4月23日の高値66.6ドルから24%下落し、6月5日に50.6ドルの安値をつけました。この原因はGDP上位2国である米国と中国の貿易摩擦の影響で双方ともに景気が減速し、エネルギーの消費が鈍化する懸念が高まっているためです。

さらに世界銀行が6月4日、世界経済見通しを発表しました。同見通しによれば、2019年の世界全体の実質経済成長率が2.6%と予測されています。これは1月時点から0.3ポイントの大幅な下方修正です。経済下振れ懸念が原油価格にも反映される格好となっています。

■原油価格を下支えする地政学リスク
先述しましたように、コモディティ市場全体の下落に連動して原油相場も調整していることは事実です。しかし、他の商品先物と比較すると原油相場の下げは限定的だとみることもできます。これは原油相場にとって米中貿易摩擦のような弱気材料だけではなく、強気材料もあるからです。特にホルムズ海峡をめぐっての軍事的な緊張が強い下支え要因になっています。ホルムズ海峡はサウジアラビア、イラン、イラクなどペルシア湾沿岸の石油大国で産出する石油の重要な搬出路であり、毎日1,700万バレルの石油をタンカーが運んでいます。また日本向けの原油タンカーの多くが通過します。日本に来るタンカーの全体の8割、年間3,400隻がこの海峡を通過しています。世界にとって石油供給の生命線ともいえる重要な拠点なのです。そんなホルムズ海峡に近いオマーン海峡で13日、石油タンカー2隻が攻撃を受けたと報道されています。米国務長官は攻撃の背後にイランがいるとの見解を表明したとのことで、緊張が一段と高まる懸念から原油価格が上昇しました。このようなホルムズ海峡での問題のほか、サウジアラビアやロシアなどOPECプラスの協調減産の延長やイランの減産などの要因があり、原油価格は軟調な中にありながらも、下げが限定的になっているとみることができます。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ




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