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ネガティブ材料重なり、先回りの動きも【クロージング】


28日の日経平均は下落。171.35円安の21385.16円(出来高概算13億株)で取引を終えた。通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、下院歳入委員会で証言し、「米中が合意に達する前に、なお多くの作業が必要だ」と述べたと伝わり、米中通商協議に対する進展期待がやや後退した。また、パキスタン軍がパキスタン領空でインド機2機を撃墜したことを明らかにしたと報じられ、地政学リスクへの警戒が売買を手控えさせた。この流れから小幅に下落して始まった日経平均は、じり安基調となり、前場半ばには21400円台半ばでの推移に。その後は21450円処をサポートに底堅い値動きをみせていたが、大引け間際には、ベトナム・ハノイで開かれている米朝首脳会談で、トランプ大統領の記者会見開始時間が2時間早まり、合意文書の署名式が中止になるとの報道が嫌気され、下げ幅を広げている。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは電気機器、海運、証券、不動産、機械、化学、その他製品、非鉄金属が軟調。一方で、水産農林、サービスの2業種が小幅に上昇している。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、ユニファミマ<8028>、東エレク<8035>、資生堂<4911>が重石となった。

薄商いの中で、外部環境に振らされやすい需給状況であることは想定内ではある。しかし、USTRのライトハイザー代表による発言で米中通商協議に対する進展期待が後退したほか、インドとパキスタンの緊張の高まり、さらに、米朝首脳会談で合意文書の署名式が中止になるとの報道など、ネガティブ材料が重なったことが、売り仕掛け的な動きにもつながっているとみられる。また、グローベックスの米株先物は100ドル近く下げて推移していることもあり、明日の調整を想定した先回りの動きもあっただろう。

その他、マザーズ指数は9営業日ぶりに反落となった。短期的な過熱警戒感から利食いは想定されていたとはいえ、2%を超える下げにより、センチメントはやや悪化した格好であろう。900Pt水準に25日線が位置しており、これを理想的にサポートとしてくるかが注目されるだろう。




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