9日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。イタリア財政をめぐる同国と欧州連合(EU)との対立が激化し、警戒の円買いが先行しやすい。ただ、ユーロ売りの反面、ドルには米利上げ継続観測からや安全通貨として資金流入が見込まれることから、ドル・円は下げづらいだろう。

5日に開催されたユーロ圏財務相会合で、イタリアの2019年予算案がEUの財政規律に反しているとの見解が示され、波紋を広げている。イタリア政府は先に国内総生産(GDP)成長率の予想を+1.5%としたが、欧州委員会はその水準を大きく下回るとの予測。それに対しイタリアのコンテ首相は、欧州委は構造改革などの効果を過小評価していると反論した。欧州委はイタリアが13日までに改正予算案を提出しない場合、是正に向けた措置を講ずる見通しで、双方の対立は激化しそうだ。金融市場への影響に警戒も広がり、足元はユーロ売り、円買いに振れやすい地合いとなっている。

ドル・円はユーロ・円などクロス円に連れ安し、前日NY市場で1カ月ぶりに回復した114円台から再び113円台に軟化。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は7-8日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)でタカ派寄りの姿勢を堅持したことから、利上げ継続を見込んだドル買いが入りやすく、目先のドル・円の下げは小幅にとどまるだろう。一方、イタリア財政問題でユーロ・ドルは支持線として意識される1.13ドルを割り込む可能性がある。そのため、ドルは安全通貨として資金が流入しやすくやや押し上げられるだろう。ドル・円は週末の売りが見込まれるものの、下げは限定的となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・7-9月期GDP速報値(前年比予想:+1.5%、4-6月期:+1.2%)
・18:30 英・9月貿易収支(予想:-113.95億ポンド、8月:-111.95億ポンド)
・18:30 英・9月鉱工業生産(前月比予想:-0.1%、8月:+0.2%)
・22:30 米・10月生産者物価指数(前月比予想:+0.2%、9月:+0.2%)
・22:30 ウィリアムズNY連銀総裁が開会あいさつ(NY連銀主催会合)
・22:45 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁討論会参加(NY連銀主催会合)
・23:05 クオールズ米FRB副議長講演(ストレステスト関連)
・24:00 米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:98.0、10月:98.6)
・24:00 米・9月卸売在庫改定値(前月比予想:+0.3%、速報値:+0.3%)

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情報提供元:FISCO
記事名:「欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、イタリア財政問題でユーロの値動きを注視