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欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、米中“負の連鎖”に警戒続く


9日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想したい。ドル以外の主要通貨に売られやすい材料が目立ち、ドルにマネーが流入する地合いが続く見通し。ただ、米中両国の通商政策をめぐる制裁と報復を懸念した円買いがドル・円の上値を抑えそうだ。


足元のドル以外の主要通貨をみると、円は日銀のフォワードガイダンス導入など、強力な金融緩和を継続するための枠組み強化決定、ポンドは英国の合意なき欧州連合(EU)離脱への懸念、カナダドルはカナダの資産を保有するサウジアラビアとの対立など、ネガティブな材料が目立つ。また豪準備銀行は利上げを急がない姿勢を堅持したほか、NZ準備銀行は本日の定例会合で政策金利据え置きを2020年まで先延ばしする方針を決め、オセアニア通貨も先安観で買いづらい。ユーロは底堅くみえるものの、ファンダメンタルズや金融政策に買い材料は乏しく、結果としてドル買いに振れやすい展開が見込まれる。

ドル・円は、支持線として機能していた111円を前日の取引で割り込んだが、110円後半から値を戻す展開となろう。ただし、知的財産権の侵害を理由とした米国の対中制裁関税と中国の同規模の報復措置が嫌気され、円買いを誘発。また、今晩から始まる日米通商協議(FFR)で日本からの自動車関連の輸出品に対する制裁関税などが焦点になり、円先高感が強まりやすい。一方、今晩発表の米国の7月生産者物価指数(PPI)と明日の消費者物価指数(CPI)を前に見極めムードも広がりやすく、ドル・円の大幅な下押しは回避されそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.0万件、前回:21.8万件)
・21:30 米・7月生産者物価指数(前月比予想:+0.2%、6月:+0.3%)
・23:00 米・6月卸売在庫改定値(前月比予想:0.0%、速報値:0.0%)
・02:00 米財務省30年債入札(180億ドル)
・02:00 エバンス米シカゴ連銀総裁インタビュー
・日米通商協議(FFR)初会合





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