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【書評】『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史 習近平 父を破滅させたトウ小平への復讐』(遠藤誉、ビジネス社)


習近平の父である習仲勲を失脚させたのはトウ小平であり、習近平の行動原理はトウ小平の復習である。このことを証明すべく、中国共産党建党100周年の歴史を紐解き、習近平の言動、行動を緻密に解釈する『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史 習近平 父を破滅させたトウ小平への復讐』(遠藤誉、ビジネス社)が出版されている。

習仲勲は中国革命の聖地「延安」を築いた英雄の一人だ。延安がなかったら「新中国」は誕生していない。だから毛沢東は習仲勲を高く評価し、後継者の一人と位置付けていた。トウ小平は様々な陰謀により1962年に習仲勲を失脚させただけでなく、習仲勲の功労をかき消すために延安の存在を薄めた。

そのため習近平はトップに立つと直ちに「革命の初心を忘れるな」として「延安」と「毛沢東」を強調し、同時に米中の力が拮抗する時代を「新時代」と名付け、中国には「毛沢東の新中国」と「習近平の新時代」しかなく、トウ小平を江沢民・胡錦涛と一塊にして過渡期の指導者と位置付けた。自分の手で米国に打ち勝つことによってトウ小平を凌駕しようと、国家主席の任期を撤廃した。

16年間に及ぶ牢獄生活を終えて1978年に政治復帰して広東省に赴任した習仲勲は、深センを「経済特区」と名付けて深セン・香港・マカオを結ぶグレーターベイエリア構想の原型を提案していた。だから習近平は深センをハイテク基地に育て上げ、当該構想を完遂すべく香港の民主化を断固阻んでいる。

但し、習仲勲が「少数民族を愛し大切にし、異なる意見を取り入れなければならない」と主張したのに対して、習近平は親の理念を裏切って、少数民族と言論の自由を弾圧している。これは逆に「一党支配体制を維持するためには、少数民族を弾圧し言論統制を強化するしかない」ことの証左であり、これが習近平のアキレス腱であることが本書から見えてくる。
革命戦争を経験した著者でないと書けない、習近平の国家戦略を知るための必読の書だ。

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