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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆不安心理の峠越えを測る◆



〇9.11を通過中、対北制裁が焦点か〇

太陽フレアは、月の引力(満月、新月)ほど知られていないが大地震トリガーの一つと看做されている。07年に全米地球物理学連合が発表した論文では、「(証拠は掴めていないが)推論として、太陽フレアによって放出された荷電粒子が地球磁場圏でリング状の流れを作り、それが断層帯でプレート運動を強める可能性がある」と報告している。フレア発生から10~100時間後に多くの地震発生を認めている。

メキシコM8.2は、7日の太陽フレア発生(27年ぶりのX9.3)が影響したのか、6日の満月の影響か、それらの相乗効果か分からないが、日本時間8日金曜日の午後発生(東日本大震災を連想させる)となった。チャートを見ると、午後2時頃から崩れ、追加的なリスク回避を招いたと思われる。地震の被害は大きいが、地域は限定された。また、太陽フレア自体の被害は報告されていない。

大型ハリケーン「イルマ」は目下、フロリダを通過中。600万人を超える規模で避難命令が出され、事前の対策は「ハービー」よりも進んでいるようだ。「イルマ」に続くと見られた「ホセ」は一時、カテゴリー4に発達と伝えられたが、やや東に逸れる観測となっている。NY連銀のダドリー総裁は「ハリケーン襲来が次回利上げ時期に一時的に影響する可能性があるが、それはもっと先のこと」と述べ、バランスシート縮小計画には影響はないとした。米経済成長を楽観視していることで、金利低下の歯止めになると考えられる。

本日は国連安保理で対北朝鮮追加制裁案を諮る予定。報道では中国の出方次第で、成立メドは立っていない。北朝鮮は強く反発する声明を出したが、石油禁輸などが決まれば、一段と困窮するものと思われる。今までの制裁効果はジワジワと影響している公算がある。断片的な報道を集めると、7日メキシコが北朝鮮大使を追放、8日比国は対北貿易停止を表明、クウェートや中国・丹東で北朝鮮労働者の帰国する姿が伝えられ、ウラジオの「東方経済フォーラム」の場を使って、北代表団はロシアと極秘会談したとされる。建国記念日は一見派手な祝宴で「核実験」を祝ったが、飾り物は質素で、従来行っていた国民への「配給」報道は無かった。次第に困窮度が増しているのが実態であろう。ロシアに頼ろうにも、ロシアには大量物流機能がない(制裁無意味の宣伝には使われる)。

NHKは「プーチン露大統領が北朝鮮制裁を容認か」との観測記事を流し、習近平中国国家主席はマクロン仏大統領に「建設的役割」を求めた。中ロの反対姿勢も揺れ動いていることを示す。7日にはEU28カ国外相が対北追加制裁で合意、EU独自制裁に言及した。今まで比較的寛容だったEUの硬化が北朝鮮には締め付け効果になると思われ、安保理の動向にも影響しよう。北朝鮮が追加的暴走に走らない限り、制裁効果を見極める展開が続くものと考えられる。

ドル円が一時107円台に突入したことで、下値支持ラインの目安も失われ気味だが、北朝鮮の暴走展開がなければ、市場の不安心理は徐々に沈静化に向かうと想定される。引き続き日経平均下値圏として19200円を割り込む場面が出て来るか、注目しておきたい。割り込まなければ、当面はボックス圏内との見方に戻ることになろう。

以上

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/9/11号)



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