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NYの視点:米5月JOLT、労働市場のスラック改善順調、ペース鈍化も


米労働省が発表した最新5月のJOLT求人件数は566.6万件と、予想595万件を下回り、1月来で最低となった。また、FRBが10日に発表した6月労働市場情勢指数は1.5ポイントの上昇と、上昇幅は市場予想の2.5を下回り昨年12月来で最低となった。5月分も2.3から3.3へ上方修正された。労働市場のたるみ、スラックの改善ペースが滞った感も否めない。

ただ、イエレン議長がスラックを判断する上で使用しているダッシュボードで9つある項目のうち、6項目が金融危機以前の水準を維持。労働者の市場への自信を表明すると、JOLT求人件指数の項目の中でイエレン議長が注視している退職率(Quitsrate)の最新5月分は2.2%と、金融危機以前の水準 に並んだ4月2.1%から上昇。解雇率(Layoffs/discharges rate)は1.1%と、4月と同様依然危機前の1.4%を下回っている。

米6月の雇用統計では、フルタイムの仕事を探しているが経済的な理由で臨時的な職に就いている人、職探しを完全に諦めた人を含む広義の失業率(U-6)が8.6%と、5月8.4 %から上昇。しかし、金融危機前の水準である 8.8%以下を維持した。また、労働参加率も62.8%と、依然金融危機前の水準66.1%を下回ったままだが、5月62.7%から0.1%ポイント上昇。緩やかながら改善に向かっているようだ。

労働市場の問題は低い賃金の伸び、労働参加率の低迷、依然40%近辺にある長期失業となる。構造的な問題から、金融政策での問題解決は限りがあるとの見方も少なくない。トランプ政権の減税、インフラ出動などの経済政策が待たれるところだ。労働市場がFRBの責務目標である完全雇用にほぼ達したとの見方は、FOMCのみならず民間エコノミストの間でも強まりつつある。

イエレンFRB議長の12,13日に予定されている議会証言では、インフレに関する判断、見通しに焦点が集まる。6月FOMC会合後の会見で、議長は最近の低金利は「一時的な項目」が要因になっているとし、インフレが中期的に目標である2%に向けた上昇軌道にあるとの見解を維持していることを表明。今回の議会証言は、2018年1月に任期が失効するイエレンFRB議長にとって最後となる可能性もある。

■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード(最新)

◎危機前に比べ状態が改善             危機前の水準と比較
5月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.1%(4月1.1%)     1.4%
6月失業率(Unemploynent rate):4.4%(5月4.3%)      5%
5月求人率(Job openings rate):3.7 %(5月3.9%)       3%
5月退職率(Quits rate):2.2%(4月2.1%)           2.1%
6月広義の失業率(U-6):8.6%(5月8.4 %)                 8.8%
6月雇用者数(Nonfirm payrolls):+22.2万人(5月+15.2万人) +16.18万人

◎状態が危機前より依然悪い
6月長期失業率:38.1%(5月40.7%)                  19.1%


6月労働参加率:62.8%(5月62.7%)                    66.1%
5月採用率(Hiring rate):3.7%(4月3.9%)       3.8%



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