シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなろう。11月ISM製造業景況指数が4カ月連続で節目となる50を割り込んだことについては、ある程度は50回復を期待していた流れもあったと考えられ、ややハシゴを外された格好であろう。また、米中交渉を巡る不透明感は根強く、想定されていた面はあったとはいえ、中国が米国での香港人権・民主主義法案の成立を受け、米軍の艦艇や航空機が整備のため香港に立ち寄ることを一時拒否する措置を決定するなどの報復措置を実施してきたことは嫌気されよう。さらに、トランプ大統領がブラジルとアルゼンチンに対する鉄鋼・アルミニウム関税措置を復活させる意向を示したことも投資家心理を冷やすだろう。
もっとも、これまで同様、ギャップスタート後の底堅さを見極めたいところであろう。11月21日の急落後の切り返しをみせていることもあり、23000円接近の局面では買い戻しの流れが強まる可能性も期待しておきたいところであろう。日経平均の25日線が23200円近辺に位置しており、これを割り込んできたとしても、大引けでこれを上回っていれば、センチメントは悪化しないと考えられる。
その他、昨日は指数インパクトの大きいところを見る限りでは、225型の先物主導によるインデックス売買が中心であった。しかし、その中でも、需給状況が良好な銘柄には買い戻しの流れが強まりやすいと考えられる。また、マザーズ指数は時価総額上位銘柄が上げ一服となっているため、指数は小幅に反落となっていた。これについても、足元の急ピッチのリバウンドに対する一服といったところであり、一方で中小型株については出遅れ感の強い銘柄を見直す動きに広がりがみられている。米中協議の不透明感から積極的な上値追いには慎重になりやすいところであるが、基本的にはリスクオン状態が続く局面においては、より出遅れ銘柄を探る動きが強まりそうである。
<AK>
情報提供元:FISCO
記事名:「23000円前半レベルでの底堅さを見極め」