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武田薬品、ALK+ NSCLC のファーストライン治療でALUNBRIG®(ブリガチニブ)が2年間の追跡後も一貫した優位性を示す長期データを発表



– ALUNBRIGは、クリゾチニブとの比較で、病状進行/死亡リスクを脳転移がある患者で76%、全患者で57%低減 –



– 無増悪生存期間中央値はALUNBRIG群がクリゾチニブ群の3倍 –

米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は本日、ALK阻害薬による治療歴のない進行性未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者でALUNBRIGとクリゾチニブを比較評価した第3相ALTA-1L試験の最新データを発表しました。試験結果は、組み入れの時点で脳転移があった初発がん患者で、ALUNBRIGが2年超の追跡後、治験責任医師評価に基づき、病状進行/死亡リスクを76%低減することを示すものです(ハザード比[HR] = 0.24、95% CI:0.12~0.45)。またALUNBRIGは、全患者で病状進行/死亡リスクを 57%低減することも示しました(HR = 0.43、95% CI:0.31~0.61)。これらのデータは11月23日(土曜)にシンガポールで開催される2019年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)アジア大会のプレジデンシャルセッションで発表されます。





ALTA-1L試験の結果は、2つの独立した審査機関、すなわち治験責任医師と盲検下の独立審査委員会(BIRC)が評価を行い、両者の評価結果が報告されています。2回目の中間解析のデータカットオフ時点(2019年6月28日)で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)のBIRC評価HRは0.49(95% CI:0.35~0.68、ログランク検定P<0.0001)で、病状進行/死亡リスクの51%低減を示しました。



コロラド大学がんセンターのJoyce Zeff肺がん研究寄付講座長でALTA-1Lの治験責任医師を務めるD. Ross Camidge医師(M.D., Ph.D.)は、次のように述べています。「この疾患の複雑さと患者集団の予想寿命を考慮すると、医師にとって重要なことは、忍容性が良好で効果が持続する治療選択肢を複数持ちながら、患者のニーズに応えることです。ブリガチニブは、ALTA-1L試験の25カ月に及ぶ追跡期間を通じ、全体的な有効性および頭蓋内病変での有効性を一貫して示すと同時に、生活の質もクリゾチニブとの比較で大幅に改善し、ALK+ NSCLCに対するファーストライン治療としての潜在力をより確かなものにしています。」



長期解析から得られた追加データは、ALUNBRIG治療を受けた初発がん患者にとって、ベースラインにおける脳転移の有無とは無関係に利点があることを示しています。脳はがんが最初に転移する部位として最も一般的なものの1つで、良好でない生活の質を伴います。




  • ALUNBRIGは脳において強力で持続的な奏功を示し、BIRCの評価によれば、ベースラインで脳転移を持つ患者でクリゾチニブと比較して優れた有効性を備えており、これら患者ではPFS曲線の早期分離が観察されている。


    • ALUNBRIGはベースラインで脳転移を持つ患者で頭蓋内病変における病状進行/死亡リスクを69%低減し(HR = 0.31、95% CI:0.17~0.56)、頭蓋内病変におけるPFS中央値はクリゾチニブ群の5.6カ月に対し24カ月でした。治験責任医師らの評価によれば、ベースラインで脳転移を持つ患者でPFS中央値はALUNBRIG群が未到達、クリゾチニブ群が5.9カ月であった。


    • ベースラインで測定可能な脳転移を持つ患者において確認された頭蓋内病変における客観的奏功率(ORR)は、ALUNBRIG群が78%(95% CI:52.4~93.6)、クリゾチニブ群が26%(95% CI:10.2~48.4)であった。


    • ベースラインで測定可能な脳転移を持つ確定奏功者における頭蓋内病変における奏功期間(DOR)中央値は、ALUNBRIG群が未到達(95% CI:5.7~NE)、クリゾチニブ群が9.2カ月(95% CI:3.9~9.2)であった。




  • ALUNBRIGは、追跡期間が25カ月までと長く、一貫した全体的有効性を示した(治療企図解析集団)。


    • 治験責任医師の評価によるPFS中央値は、ALUNBRIG群が29.4カ月(95% CI:21.2~NE)、クリゾチニブ群が9.2カ月(95% CI:7.4~12.9)でした。BIRCの評価によるPFS中央値はALUNBRIG群が 24.0カ月(95% CI:18.5~NE)、クリゾチニブ群が11.0カ月(95% CI:9.2~12.9)であった。


    • BIRCの評価による確定ORRは、ALUNBRIG群が74% (95% CI:65.5~80.9)、クリゾチニブ群が62%(95% CI:52.9~69.7)であった。


    • BIRC の評価によるDOR中央値はALUNBRIG群が未到達(95% CI:19.4~NE)、クリゾチニブ群が13.8カ月(95% CI:9.3~20.8)であった。




  • 初発ALK+ NSCLC患者における生活の質(QoL)の評価も実施し、結果は ALUNBRIG治療を受けた患者が健康関連QoL(HRQoL)の大幅な改善を経験していたことを示す。


    • 包括的健康指標(GHS)/QoLスコア悪化(10ポイント以上のスコア悪化)までの期間の中央値はALUNBRIG群が27カ月、クリゾチニブ群が8カ月であった。


    • GHS/QoLの改善持続期間はALUNBRIG群の方が長く、持続期間が未到達であったのに対し、クリゾチニブ群は12カ月であった。


    • またALUNBRIGは、疲労、悪心・嘔吐、食欲減退、情緒的・社会的機能などの複数のサブスケールでも、悪化までの期間を長引かせ、改善持続期間を延長した。





武田薬品Oncology Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるフィル・ローランズは、次のように述べています。「武田薬品は、肺がんの治療展望を前進させ、患者の未充足ニーズへの対応を目指す製品の開発に傾倒しています。ALUNBRIGがベースラインで脳転移を持つ患者で病状進行を2年以上遅らせ、病状進行のリスクを大幅に低減することを示したこれらALTA-1L試験の最新結果を含め、これまでに成し遂げた前進を当社は誇りに思います。世界中のALK+ NSCLC患者にALUNBRIGを提供できるようにするという目標に向け、これらのデータを世界各国の規制当局に提出していきたいと思います。」



GO2肺がん基金の共同創設者で理事長のボニー・アダリオ氏は、次のように述べています。「がんは1つの治療法が万能性を持つ病気ではないため、ALK+ NSCLC患者個々の治療ニーズは多様です。進行中の研究やALTA-1Lなどの臨床試験は、患者の長い治療の取り組みの早い段階で患者の治療成績と生活の質を改善するという私たちの目標を達成する上で、非常に重要です。当社は、初発ALK+ NSCLCの患者にとって意義のある結果を示しているこの臨床試験に参加した患者、家族、治験担当医の方々に感謝します。」



ALTA-1L試験におけるALUNBRIGの安全性プロファイルは、既存の米国向け処方情報と全般的に一致するものでした。




  • 発生頻度が最も高かった治療下発現有害事象(TEAE)(グレード3以上)は、ALUNBRIG群がCPK上昇(24.3%)、リパーゼ上昇(14.0%)、高血圧症(11.8%)、クリゾチニブ群がALT上昇(10.2%)、AST上昇(6.6%)、リパーゼ上昇(6.6%)であった。


  • ALTA-1L試験における早期発現肺イベント(間質性肺疾患/肺炎)の頻度は、クリゾチニブ治療後集団でのALTA試験と比較してわずかに低かった。


  • 肺イベント(発現時期不問)が発現した患者の割合は、ALUNBRIG群が5.1%、クリゾチニブ群が2.2%であった。


  • AEが原因で治療を中止した患者の割合は、ALUNBRIG群が12.5%、クリゾチニブ群が8.8%であった。


  • ALUNBRIGは現在、ファーストライン治療での使用を適応としては承認されていない。



ALTA-1L試験について



成人患者をALUNBRIGで治療する第3相ALTA-1L試験(ALK in Lung Cancer Trial of BrigAtinib in 1st Line/肺がんのファーストライン治療でブリガチニブを検討する試験)は、ALK阻害剤未治療の未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)局所進行性/転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者275人(ALUNBRIG群137人、クリゾチニブ群138人)を組み入れて進行中のグローバルランダム化非盲検比較多施設試験です。患者は、ALUNBRIG 180mgを1日1回(7日間の導入期間では90mgを1日1回)、またはクリゾチニブ250mgを1日2回の頻度で投与されました。



患者年齢の中央値はALUNBRIG群が58歳、クリゾチニブ群が60歳でした。ベースラインで脳転移を持つ患者の割合はALUNBRIG群が29%、クリゾチニブ群が30%でした。進行性/転移性がんに対する化学療法の治療歴がある患者の割合はALUNBRIG群が26%、クリゾチニブ群が27%でした。



盲検下の独立評価委員会(BIRC)の評価による無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目としました。副次評価項目には、RECIST改訂版1.1に基づく客観的奏功率(ORR)、頭蓋内病変におけるORR、頭蓋内病変におけるPFS、全生存期間(OS)、安全性、忍容性を含めました。



ALUNBRIG®(ブリガチニブ)について



ALUNBRIGは強力で選択的な次世代チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であり、非小細胞肺がん(NSCLC)で未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合タンパク質を標的として阻害するように設計されています。ALUNBRIGは2017年4月、クリゾチニブ投与中に進行したかクリゾチニブ抵抗性の未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)転移性NSCLC患者の治療薬として米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を取得しました。本適応は、腫瘍奏功率および奏功期間に基づき、迅速承認制度により承認されました。本適応の承認継続は、検証的試験における臨床的ベネフィットの検証と説明が条件となります。



ALUNBRIGは現在、クリゾチニブ治療中に病状が悪化したか、クリゾチニブ投与への忍容性を示さないALK陽性転移性NSCLC患者の治療薬として、米国、カナダ、欧州連合を含む40カ国以上で承認されています。



ALUNBRIGは、腫瘍がクリゾチニブ抵抗性のALK陽性NSCLC患者の治療薬として、FDAより画期的治療薬の指定を受け、ALK陽性NSCLC、ROS1陽性/EGFR陽性NSCLC患者の治療薬としてFDAより希少疾病用医薬品の指定を受けています。



肺がん領域における武田薬品の活動



武田薬品は、ALK+ NSCLCおよびEGFRエクソン20変異を有する疾患の治療展望における経験を発展させることに専心しています。当社の包括的プログラムには下記の臨床試験が含まれ、肺がん患者の未充足ニーズに一貫して対応しています。



ALUNBRIG




  • ALUNBRIGの安全性、忍容性、薬物動態、予備的な抗腫瘍活性の評価を実施するようにデザインした第1/2相試験


  • クリゾチニブ投与中に進行した局所進行性/転移性ALK陽性NSCLC患者で2種類の投与レジメンにてALUNBRIGの有効性と安全性を検討するピボタル第2相ALTA試験


  • ALK阻害剤未治療の局所進行性/転移性ALK陽性NSCLC患者でクリゾチニブと比較したALUNBRIGの有効性と安全性を評価するランダム化グローバル試験の第3相ALTA-1L試験


  • アレクチニブ投与中に進行した患者に重点を置き、日本人のALK陽性NSCLC患者を治療する第2相J-ALTA単一群多施設試験。本試験は現在患者を組み入れ中。


  • アレクチニブまたはセリチニブの投与中に進行した進行性ALK陽性NSCLC患者でALUNBRIGの評価を実施する第2相ALTA 2グローバル単一群試験。本試験は現在、患者組み入れ中。


  • クリゾチニブ投与中に進行したALK陽性NSCLCを患う参加者でアレクチニブと比較したALUNBRIGの有効性と安全性を比較する第3相ALTA 3ランダム化グローバル試験。本試験は現在、患者組み入れ中。



TAK-788




  • NSCLC患者で経口EGFR/HER2阻害剤TAK-788の安全性、薬物動態、抗腫瘍活性を評価する第1/2相試験。


  • EGFRエクソン20挿入変異を持ち、治療歴のある患者でTAK-788の有効性と安全性を1日1回、160 mg投与で評価するようにデザインされた第1/2相試験のピボタル拡大コホートとなる第2相EXCLAIM試験。本試験は患者組み入れが終了。


  • 腫瘍がEGFRエクソン20挿入変異を有する局所進行性/転移性NSCLC の治療未経験患者で、ファーストライン治療としてのTAK-788の有効性をプラチナベースの化学療法と比較して評価するランダム化グローバル試験の第3相EXCLAIM 2試験


  • 局所進行性/転移性NSCLCの日本人患者でTAK-788の安全性、忍容性、薬物動態を評価する非盲検多施設用量漸増第1相試験。本試験は患者組み入れが完了。


  • 腫瘍がEGFRエクソン20挿入変異を有する局所進行性/転移性NSCLCの治療未経験患者でTAK-788の有効性を評価する非盲検単一群第2相試験


  • 健康な成人被験者で、TAK-788と、強力なシトクロムP-450(CYP)3A阻害剤イトラコナゾール(パート1)または強力なCYP3A誘導剤リファンピン(パート2)のいずれかとの薬物相互作用を特性化するようにデザインした非盲検2期固定順序第1相試験



ALUNBRIGおよびTAK-788の臨床試験に関する詳細情報については、www.clinicaltrials.govをご覧ください。



ALK陽性NSCLCについて



非小細胞肺がん(NSCLC)は肺がんの最も一般的な形態であり、世界保健機関によれば、世界中で毎年診断される推定180万人の新規肺がん症例の約85パーセントを占めています。1,2遺伝子研究では、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の染色体転座が、NSCLC患者のサブセットで重要ながん進行因子であることが示されています。3転移性NSCLC患者の約3~5パーセントにALK遺伝子の転座が見られます。4,5,6



武田薬品は、NSCLCを対象とする研究開発を継続し、毎年世界中でこの重篤で希少な肺がんと診断される約4万人の患者の生活を改善することに傾倒しています。7



ALUNBRIGに関する重要な安全性情報



警告および注意



間質性肺疾患(ILD)/肺炎:肺については、間質性肺疾患(ILD)/肺炎と一致する重度/生命を脅かす/致命的有害反応がALUNBRIG投与で発現しています。ALTA試験(ALTA)で、ILD/肺炎が90 mg(90 mg 1日1回)投与群患者の3.7%、90→180 mg(90 mg 1日1回のリードイン期間7日間の後、180 mg 1日1回)投与群患者の9.1%で発現しました。ILD/肺炎の可能性がある疾患と一致する有害反応が患者の6.4%で早期段階(ALUNBRIG投与開始から9日以内、発現までの期間の中央値2日)に発現し、患者の2.7%でグレード3~4の反応が発現しました。特にALUNBRIG投与開始後の最初の1週間は、呼吸器症状(例:呼吸困難、咳等)の発現または悪化についてモニタリングします。呼吸器症状が発現または悪化した患者はすべてALUNBRIG投与を保留し、ILD/肺炎または呼吸器症状の他の原因(例:肺塞栓症、腫瘍進行、感染性肺炎)について直ちに評価を実施します。グレード1~2のILD/肺炎の場合、ベースラインまで回復した後に減量してALUNBRIG投与を再開するか、ALUNBRIG投与を永久的に中止します。グレード3~4のILD/肺炎の場合、またはグレード1~2のILD/肺炎が再発した場合は、ALUNBRIG投与を永久的に中止します。



高血圧症:ALTAで、高血圧症がALUNBRIG 90 mg投与群の11%、90→180 mg投与群の21%で報告されています。グレード3の高血圧症が患者全体の5.9%で発現しました。ALUNBRIG治療に先立ち、血圧を管理します。ALUNBRIG治療を開始して2週間後、その後の治療期間中は少なくとも毎月血圧をモニタリングします。最適な降圧療法にもかかわらずグレード3の高血圧症が発現した場合はALUNBRIG投与を保留します。重症度がグレード1まで回復した後、減量してALUNBRIG治療を再開します。グレード4の高血圧症、またはグレード3の高血圧症が再発する場合は、ALUNBRIG治療の永久的な中止を考慮します。徐脈を引き起こす降圧剤と併用してALUNBRIGを投与する場合は注意します。



徐脈:ALUNBRIG投与で徐脈が発現する場合があります。ALTA試験で、毎分50拍(bpm)未満が90 mg投与群の患者の5.7%、90→180 mg投与群の患者の7.6%で発現しています。グレード2の徐脈が90 mg投与群の患者1人(0.9%)で発現しています。ALUNBRIG治療期間中は心拍数と血圧をモニタリングします。徐脈を引き起こすことが判明している医薬品の併用が避けられない場合、患者のモニタリング頻度を高めます。症候性徐脈の場合はALUNBRIG投与を保留し、徐脈を引き起こすことが判明している併用薬の使用の有無を確認します。徐脈を引き起こすことが判明している併用薬が見つかり、投与を中断または投与量を調整した場合、症候性徐脈の消失後にALUNBRIG投与を同じ用量にて再開します。徐脈を引き起こす併用薬が見つからなかった場合、症候性徐脈が消失してからALUNBRIGの用量を削減します。生命を脅かす徐脈の場合、その要因となっている併用薬が特定されなければ、ALUNBRIGの投与を中止します。



視覚障害:ALTAで、かすみ目、複視、視力低下を含む視覚障害をもたらす有害反応がALUNBRIG治療を受けた患者で報告されており、割合は90 mg投与群で7.3%、90→180 mg投与群で10%となっています。90→180 mg投与群でグレード3の黄斑浮腫と白内障がそれぞれ患者1人で発現しています。何らかの視覚症状が現れたら報告するよう患者に助言します。重症度がグレード2以上の視覚症状が新規発現または悪化した患者では、ALUNBRIG投与を保留して眼科的評価を行います。グレード2ないしグレード3の視覚障害がグレード1の重症度またはベースラインまで回復した後、削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。グレード4の視覚障害の場合はALUNBRIG治療を永久的に中止します。



クレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇:ALTAで、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇がALUNBRIG投与を受けた患者で発現しており、割合は90 mg投与群で27%、90 mg→180 mg投与群で48%となっています。グレード3~4のCPK上昇の発現率は、90 mg投与群で2.8%、90→180 mg投与群で12%でした。CPK上昇による減量が90 mg投与群の1.8%、90→180 mg投与群の4.5%で行われました。原因不明の何らかの筋痛、圧痛、脱力を経験した場合は報告するよう患者に助言します。ALUNBRIG治療期間中はCPK値をモニタリングします。グレード3またはグレード4のCPK上昇の場合はALUNBRIG投与を保留します。CPK上昇が消失するかグレード1ないしベースラインまで回復した後、同じ用量または削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。



膵酵素の上昇:ALTAで、アミラーゼの上昇が90 mg投与群の患者の27%、90→180 mg投与群の患者の39%で発現しています。リパーゼの上昇が90 mg投与群の患者の21%、90→180 mg投与群の患者の45%で発現しています。グレード3ないし4のアミラーゼ上昇が90 mg投与群の患者の3.7%、90→180 mg投与群の患者の2.7%で発現しています。グレード3ないし4のリパーゼ上昇が90 mg投与群の患者の4.6%、90→180 mg投与群の患者の5.5%で発現しています。ALUNBRIG治療期間中はリパーゼとアミラーゼをモニタリングします。グレード3ないし4の膵酵素上昇の場合はALUNBRIG投与を保留します。膵酵素上昇が消失するかグレード1ないしベースラインまで回復した後、同じ用量または削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。



高血糖症:ALTAで、ALUNBRIGの投与を受けた患者の43%が高血糖症の新規発現または悪化を経験しました。ラボ検査による空腹時血清グルコース値の評価に基づくグレード3の高血糖症が患者の3.7%で発現しています。ベースラインで糖尿病または耐糖能異常を患っていた患者20人中2人(10%)がALUNBRIG投与期間中にインスリンの投与開始を必要としました。ALUNBRIGの投与開始に先立ち空腹時血清グルコース値の評価を行い、その後は定期的にモニタリングします。必要に応じ血糖降下薬の投与を開始するか投与量を最適化します。最適な医療管理によって高血糖の適切なコントロールが達成できない場合、高血糖の適切なコントロールが達成できるまでALUNBRIGの投与を保留し、ALUNBRIGの投与量削減か永久的中止を検討します。



胚・胎児毒性:動物における作用機序と知見に基づけば、ALUNBRIGは妊婦に投与した場合、胎児に害を及ぼす可能性があります。妊婦でのALUNBRIGの使用に関する臨床データはありません。妊婦に対しては胎児への潜在的リスクについて助言します。妊娠する可能性のある女性には、ALUNBRIG治療期間中および最後の投与後少なくとも4カ月間は有効な非ホルモン性避妊薬を使用するよう助言します。妊娠する可能性のある女性パートナーを持つ男性には、治療期間中およびALUNBRIGの最後の投与後少なくとも3カ月間は有効な避妊法を用いるよう助言します。



有害反応



重篤有害反応が90 mg投与群の患者の38%、90→180 mg投与群の患者の40%で発現しています。最も多く発現した重篤有害反応は肺炎(全体で5.5%、90 mg投与群で3.7%、90→180 mg投与群で7.3%)とILD/肺臓炎(全体で4.6%、90 mg投与群で1.8%、90→180 mg投与群で7.3%)でした。致死性の有害反応が患者の3.7%で発現し、その内訳は肺炎(患者2人)、突然死、呼吸困難、呼吸不全、肺塞栓症、細菌性髄膜炎、尿路性敗血症(それぞれ患者1人)でした。



90 mg投与群で最も多く発現した有害反応(25%以上)は悪心(33%)、疲労(29%)、頭痛(28%)、呼吸困難(27%)で、90→180 mg投与群では悪心(40%)、下痢(38%)、疲労(36%)、咳(34%)、頭痛(27%)でした。



薬物相互作用



CYP3A阻害剤:強力なCYP3A阻害剤ないし中等度のCYP3A阻害剤とALUNBRIGの併用は避けます。グレープフルーツおよびグレープフルーツジュースもブリガチニブの血漿濃度を上昇させる可能性があるため避けます。強力なCYP3A阻害剤ないし中等度のCYP3A阻害剤の併用が避けられない場合は、ALUNBRIGの投与量を削減します。



CYP3A誘導剤:強力なCYP3A誘導剤ないし中等度のCYP3A誘導剤とALUNBRIGの併用は避けます。中等度のCYP3A誘導剤の併用が避けられない場合は、ALUNBRIGの投与量を増量します。



CYP3A基質:ホルモン性避妊薬を含む高感度のCYP3A基質とALUNBRIGの併用は、高感度のCYP3A基質の濃度低下と効果消失をもたらす場合があります。



特定集団における使用



妊婦:ALUNBRIGは胎児に害を与える可能性があります。妊娠する可能性がある女性には胎児への潜在的リスクについて助言します。



授乳婦:ブリガチニブの母乳への排泄または母乳摂取乳児ないし母乳産生への影響に関するデータは存在しません。母乳摂取乳児における有害反応の可能性があるため、授乳中の女性にはALUNBRIGによる治療期間中は母乳を与えないよう助言します。



生殖能力を持つ男女:



妊娠検査:妊娠する可能性のある女性はALUNBRIGの使用開始に先立ち、妊娠有無を確認します。



避妊法妊娠する可能性のある女性には、ALUNBRIG治療期間中および最後の投与後少なくとも4カ月間は有効な非ホルモン性避妊薬を使用するよう助言します。妊娠する可能性のある女性パートナーを持つ男性には、治療期間中およびALUNBRIGの最後の投与後少なくとも3カ月間は有効な避妊法を用いるよう助言します。



不妊:ALUNBRIGは男性の生殖能力を低減させる可能性があります。



小児への使用:小児患者でのALUNBRIGの安全性と有効性は確立していません。



高齢患者への使用:ALUNBRIGの臨床研究では、高齢患者における効果が若年患者の場合と異なるかどうかを判断するのに十分な人数の65歳以上の患者が対象となっていません。



肝障害・腎障害:軽度から中等度の肝障害または軽度から中等度の腎障害を持つ患者の場合、投与量の調整は推奨されていません。重度の肝障害または重度の腎障害を持つ患者の場合、ALUNBRIGの投与量を削減します。



ALUNBRIGの完全な処方情報(米国向け)についてはwww.ALUNBRIG.comをご覧ください。



武田薬品工業株式会社について



武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、消化器系疾患、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。



詳細情報についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。



留意事項



本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本資料(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国1933年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。



武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品およびその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、usおよびour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。



将来に関する見通し情報



本プレスリース及び本プレスリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「保証する(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想されるanticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語、同様の表現、それらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではございません。この書類における将来見通し情報は、この書類の発表日における当社の推定及び前提に基づくものです。かかる将来見通し情報は、当社または当社の役員による、将来の業績に関する保証を表するものではなく、既知及び未知のリスクと不確実性その他の要素を伴います。リスクと不確実性には、日本と米国の一般的な経済条件を含む当社の世界的な事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、製品開発計画の成功または失敗、規制当局による判断とその時期、金利及び通貨為替レートの変動、市場で販売された製品または製品の安全性または有効性に関するクレームまたは懸念等、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミングが含まれますが、これらに限られません。これらにより、当社の実際の業績、経営結果、財務内容は、将来見通し情報において、明示または暗示された将来の業績、経営結果、財務内容とは、大きく異なる可能性があります。当社の業績、経営結果または財務状況に影響を与え得る事項の詳細に関しては、武田薬品が米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書の”第3項重要事項 - D.リスクファクター”及び他の報告書をご参照ください(https://www.takeda.com/investors/reports/sec-filings/又はwww.sec.govにおいて閲覧可能)。武田薬品の将来の業績、経営結果又は財務状況は、将来見通し情報において明示又は暗示されたものと大きく異なることがあり得ます。本プレスリリースの受領者は、将来見通し情報に過度に依存するべきではありません。武田薬品は、法律ないし証券取引所規則で要求される場合を除き、本プレスリリースに含まれる、または当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本プレスリリースにおける武田薬品の経営結果は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想または見積もりではありません。



1 World Health Organization. Latest Global Cancer Data. https://www.who.int/cancer/PRGlobocanFinal.pdf. Accessed May 11, 2019.

2 American Cancer Society. What is Non-Small Cell Lung Cancer? https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/what-is-non-small-cell-lung-cancer.html. Accessed May 11, 2019.

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4 Gainor JF, Varghese AM, Ou SH, et al. Clin Cancer Res. 2013;19(15):4273-81.

5 Koivunen JP, Mermel C, Zejnullahu K, et al. Clin Cancer Res. 2008;14(13):4275-83.

6 Wong DW, Leung EL, So KK, et al. Cancer. 2009;115(8):1723-33.

7 Chia PL, Mitchell P, Dobrovic A, John T. Clin Epidemiol, 2014;6:423-432.


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