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超高齢社会を生き抜くために。新しいご近所ネットワークの可能性『新しい地域ネットワークの教科書/伊藤幹夫 著』よりご紹介




p.27図 ご近所目線での社会的課題の捉え方


p.69図 世帯状況マップのイメージ


人は「お・か・げ・さ・ま」で生きる


画像 : https://newscast.jp/attachments/cWifakmPKQ5dh9XeHz7W.jpg


内閣府の平成29年版高齢社会白書によると、2016年10月1日現在の高齢化率は27.3%、高齢者数は3,459万人となっています。2065年には、全人口の約25%が75歳以上の後期高齢者になり、高齢化率も38%を超えるとの推計が出ています。超高齢社会を生き抜くためには、何が必要であるのかその一つのの解決策として新しいご近所ネットワークの可能性を書籍『新しい地域ネットワークの教科書~ご近所の共助があなたの未来をひらく~/伊藤幹夫 著』よりご紹介いたします。


◆ご近所づきあい、どうしていますか?


「ご近所づきあい」と聞いて、あなたはどんなイメージが浮かびますか? 戸建てであれば向こう三軒両隣、共同住宅であれば同じ階や同じ棟の住民同士のコミュニケーションといったものでしょうか。
 そのほか、町内会、子ども会、老人会、ママ友、パパ友とのつきあいや、町内エリアでのボランティア活動やサークル活動といったものも、ご近所づきあいですね。
楽しさがある反面、「面倒、なるべく関わりたくない、無難にこなしたい……」と、やや腰が引けてしまう人も多いのでは? と想像されます。
 ですが、2019年末から世界中に拡散されたコロナ禍で、外出を控え、地域の活動や行事の多くが中止となり、学校の授業や仕事といったものでさえリモートで行うようになると、孤独を実感し、人とのふれあいや助け合いの精神が大切だと改めて気づかされた方も多かったのではないでしょうか。


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p.27図 ご近所目線での社会的課題の捉え方


◆ご近所の状況を把握しましょう


昔から、「遠い親戚より近くの他人」というように、地震などの災害時や、緊急事態に見舞われた場合、頼りになるのはご近所との助け合い、共助の力です。
平時であっても、高齢者世帯や病人をかかえた世帯では、さまざまな困難に見舞われることが少なくないでしょう。
 ただ、「それぞれの家の世帯状況を知らないと、どのような支援や心配りが必要なのかがわからず、何もできない」という声をよく聞きます。
 ありがたい親切が迷惑な干渉にならないために、正確な状況把握は必須ですね。
 そこで私は、従来の住民名簿(住所、世帯代表者氏名、電話番号)に「世帯構成」「避難行動要支援者名簿の登録の有無」「共有したいこと」をプラスした「世帯状況マップ」の作成を進めています。


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p.69図 世帯状況マップのイメージ


 多様な価値観を尊重するため、参加・不参加はあくまでも任意。実践してみてわかったことは、個人情報のレベル感を理解した上で、個人情報を共有するために「目的」「内容」「開示範囲」の3点に同意をとる必要性。さらに、情報漏洩について、「情報の悪用リスクをゼロにすることはできないが、メリットや安心感のほうが大きいと判断した」ということをきちんと伝えています。
 在宅介護、老老介護、認知症、障がい、日中独居など、普段の生活ではわからない各世帯の状況を共有することで、ご近所の人の顔がはっきりと見え、笑顔のあいさつが当たり前になってきます。


◆自主防災について考えよう


 皆さんは、「自主防災」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
一般的に語られる防災は、広域連携、デジタル支援及び復旧・復興などのマクロの視点、指定避難所の運営の視点、自宅での備蓄品や家具の転倒対策などの自助の視点です。つまり、町内会エリア(ご近所エリア)の自主防災(共助)の視点が欠けています。
 自主防災組織の形骸化、新たに自主防災組織をつくるハードルの高さが、大きな問題になっていることが、世の中に知られていません。
 だから、地域住民の意識も低いままです。
 一方、今、地域社会の草の根の現場では「地域住民を動かすには自主防災」が合言葉になっているのです。
 あなたのご近所・町内の自主防災組織の現状を、まずは確認してみてください。


◆自分ごととして考えましょう


 オックスフォード大学のオズボーン准教授が2017年に発表した「スキルの未来」という論文で、「2030年に必要とされるスキル(フューチャースキル)」として120のスキルを挙げています。その中の上位15位は次の通りです。
1 戦略的学習力
2 心理学
3 指導力
4 社会的洞察力
5 社会的洞察力
6 教育学
7 協調性
8 独創性
9 発想の豊かさ
10 アクティブ・ラーニング
11 心理療法・カウンセリング
12 哲学・神学
13 スピーキング
14 サービス志向
15 アクティブ・リスニング
 これらに、学ぶ目的という視点から横串を通すと、「人間性と多様性を理解して社会性を身につけながら、公共心を育み、人生を切りひらいていくこと」だと言えます。
これはご近所に必要なこと、かつご近所から学べることではないでしょうか。
 2019年に東京で開催されたオズボーン准教授の来日トークイベントに出席した際、私は「ご近所やご近所を取り巻く地域は、フューチャースキルを育む、最高の場の1つになりうるのではないか?」という質問をし、オズボーン准教授やパネリストの方々は、ご自身の体験談を踏まえ、「イエス」と答えてくださいました。
 


 ご近所を「自分ごと」として捉え、無理せずできる範囲で行動することができれば、今以上の学びと楽しみがあり、未来へとつながっていくのです。
 幅広い年齢層の皆さんが取り組んでくださることで、それは明るく豊かなものになると確信しています。


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人は「お・か・げ・さ・ま」で生きる


※書評・著者インタビュー、専門家出演等のご検討をいただけましたら幸いです。


【著者について】伊藤幹夫(いとう・みきお)


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伊藤幹夫(いとう・みきお)


 1964年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
 りそな銀行(旧大和銀行)、ディップ、アニコム損害保険に勤務後、2019年に起業。2015年から2年間多摩大学大学院での学び直しと同時に地域社会にどっぷり浸かる。
 現在は、会社経営者、多摩大学医療・介護ソリューション研究所フェロー、町内会会長、成田ニュータウン自治会連合会事務局長、自主防災組織会長、指定避難所運営委員会委員長に加え、多くの地域支援活動に向き合っている。
 地域共生社会に向かう具体的なアプローチを共創するため、「ご近所の未来づくり」をテーマに本書を執筆。
公益財団法人 さわやか福祉財団のさわやかパートナー
一般社団法人 若草プロジェクトの賛助会員
公益財団法人 丸和育志会の会員(優秀プロジェクト賞受賞者)


【書籍概要】


タイトル:新しい地域ネットワークの教科書
ページ数:250ページ       著者:伊藤幹夫
価格:1,540円(10%税込) 発売日:2021年10月18日
ISBN: 978-4-86667-313-4
【目次】
第1章 「現状」と「ありたい姿」を共有する
第2章 地域共生社会をイメージする
第3章 ご近所の共助を「自分ごと化」する
第4章 変化を起こす「考え方」「心構え」に向き合う
第5章 最大の壁「メンタルモデル」に向き合う
第6章 日本人について考える
第7章 行政の限界と住民主体について考える
第8章 地域の活動に共通する難問を解決する
第9章 ご近所の共助が日本の未来をひらく


画像 : https://newscast.jp/attachments/tBOKd7RaWvmP2LXWMmfn.jpg


amazon.co.jp : https://www.amazon.co.jp/dp/4866673133?SubscriptionId=AKIAIBX3OSRN6HXD25SQ&tag=asapublcoltd-22&linkCode=xm2&camp=2025&creative=165953&creativeASIN=4866673133


Rakuten ブックス : https://books.rakuten.co.jp/rb/16860488/?l-id=search-c-item-text-01


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