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熱可塑性CFRPとアルミニウム合金の直接接合技術を開発 パルスヒートによる小型情報機器、小型精密部品向け異種材接合技術



接合サンプル


パルスヒートユニット/システムヘッド

日本アビオニクス株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:竹内 正人)は、保有技術である精密接合機器技術を応用し、炭素繊維強化熱可塑性樹脂(以降 熱可塑性CFRP)とアルミニウム合金を締結部品や接着剤を使わずに、直接接合する異種材接合技術を開発しました。(特許出願中)



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/229080/LL_img_229080_1.jpg

接合サンプル



近年、軽量化を目指して様々な分野で樹脂と金属を併用したマルチマテリアル化が進んでおり、軽量で高強度材料である炭素繊維強化樹脂(熱硬化性CFRP)は航空機や自動車に採用され、非常に注目されております。

しかしながら熱硬化性CFRPは、(1)二次加工の難易度が高い(2)冷蔵管理を要する(3)量産性が低い(4)リサイクルが困難であるなど課題があり、最近では、熱可塑性CFRPが開発され、熱硬化性CFRPの課題を解決できる素材として注目されております。



当社では今後、大型製品から裾野がひろがり、小型情報機器や小型精密部品など多くの分野で熱可塑性CFRPと金属の精密接合の採用が見込まれるため、小型情報機器や小型精密部品をターゲットに異種材接合技術に関する研究開発を推進してまいりました。

これまで、金属と熱硬化性CFRPを接合するには、接着剤による接着接合やボルト等で締結する機械的な接合が主流でした。今回開発した接合工法では、当社で考案した表面処理を施した熱可塑性CFRPとアルミニウム合金を、当社の主力接合製品であるパルスヒートユニットを使用し、およそ5mm×20mmの小エリアを直接接合して、引張剪断強度30MPaの接合強度を得ることが可能です。



パルスヒートユニットは加圧ヘッドに搭載した、小型の金属製ツール(ヒータチップ)に電流を流して抵抗発熱させ、ヒータチップを接合対象物に押し当てて、あらかじめ設定した温度プロファイルで局所加熱と精密な加圧をおこなうことによりスポット的に接合する装置です。

ヒータチップに取り付けた熱電対で温度をフィードバックし、精密に温度を制御することで、加熱過多による樹脂の劣化を最小限に抑え、高品質な異種材接合を実現します。

本製品は国内外で多くの小型情報機器や小型精密部品の生産に貢献しております。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/229080/LL_img_229080_2.jpg

パルスヒートユニット/システムヘッド



本技術で異種材接合をおこなうことにより、製品の小型化・軽量化だけでなく、環境への負荷軽減、接着剤管理の廃止、部品数低減、製造工程の短縮などにも貢献することができます。

また、当社で考案した表面処理は、機械的および化学的結合の両方の作用を付与した薬品等を使用しないドライプロセスであり、接合エリアを選択的に表面処理することができるため、接合対象外のエリアへの影響を最小限にします。

今後はさらなる接合強度・耐久性を高める開発を進めるとともに、汎用性の高い樹脂材料や他の金属材料にも応用し、本技術の適合範囲を拡充させてゆきます。





日本アビオニクス株式会社は、創立60周年を迎え、これまで培った接合機器技術を駆使し、お客様のニーズに的確な接合機器、接合技術の提供をおこなうべく、さらなる研究開発を推進してまいります。

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