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“忘れられた”昭和の人気作家・獅子文六が再ブレイク!ちくま文庫、7月~9月にかけて毎月1点ずつ刊行を決定



<ちくま文庫 獅子文六作品書影・POP>


<獅子文六 『コーヒーと恋愛』 ちくま文庫 世代別購入グラフ>


<獅子文六『胡椒息子』ちくま文庫 書影>


<獅子文六『悦ちゃん』ちくま文庫 書影>

株式会社筑摩書房(所在地:東京都台東区、代表取締役社長:山野浩一)が刊行している文庫シリーズ・ちくま文庫の中で、今ひときわ注目を集めている作家がいます。戦前から昭和の中期まで絶大な人気を誇り、その作品の多くは映像化されるほどの国民的作家でありながら、没して以降は“忘れられた作家”と呼ばれ書店店頭でも見かけることがなくなっていた人物・獅子文六がその人です。

今やシリーズ累計発行部数は20万部を突破するほどの反響となっており、2017年7月15日からは初期代表作で、かつて映画やドラマにもなった「悦ちゃん」がNHK総合で再びドラマ化されることも決定しています。

このたび、今回のブームを受け、2017年7月から9月にかけて毎月1点ずつ3カ月連続での刊行が急遽決定しました。



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/132867/LL_img_132867_1.jpg

<ちくま文庫 獅子文六作品書影・POP>





■半世紀ぶりの再ブレイク、その要因

人気絶頂から半世紀。獅子文六作品が圧倒的な人気を博していた当時の理由は、その時代の風俗を物語に入れ込むことで多くの人が楽しむことができる大衆娯楽としての魅力を多分に備えていることでした。しかし、時代の流行を積極的に取り込んだがため、時間が経過するとともに「時代遅れ」色をまとった昔話と化してしまうという、まさに諸刃の剣によって徐々に人々の頭から忘れ去られていきました。

しかし2000年代以降、この状況が変わってきます。千野帽子さんや山崎まどかさんなど新しい著述家によって、現代にも通じる「モダン」な感性を持った作家だったのではないか、との再評価の声が上がり始めます。とはいっても書店店頭に置かれなくなって久しく、一般の読者にとってはなかなかその作品を気軽に読めなくなっていた中、2013年からのちくま文庫での刊行が始まり出しました。この時、自らが獅子文六のファンであった30代の担当編集者は、表紙や解説などに現在活躍するクリエイターを起用することや、さらに同世代の営業担当者という、より一般読者に近い存在の人間を加えて、自分たちが読んで得た“想い”をそのまま手書き文字で帯やPOPに載せて届けるという方法をとることで、当時はまったくその作品に触れてこなかった「新しい読者」の目にも触れる機会をより多く作ったところ状況が一変します。当時の熱心だった読者が懐かしさから再び手に取ったという反応に加え、SNS等では、「時代遅れ」と称された風俗や感覚も“一回り”し、むしろそれが「新鮮なもの」として捉えるような読者の反応が世代を超えて頻繁に起こり始めていました。リアルな“レトロ・モダン”の面白味は、現代の流行作家には決して持ちえないエンタメ要素であり、今の時代の空気や新しい感性で読むと当時とはまた違った楽しさがあるということが、獅子文六の名も知らなかった人たちの間でじわじわと口コミで伝わり始めたのです。

一時は「古臭い」と消えかけていた作品群ですが、作者の没後約50年後に、当時の人気を知らぬ未知の読者たちの手によって新たな魅力が掘り起こされ、新しい刺激を求めて「平成の獅子文六ブーム」がやってきました。





■ちくま文庫より3カ月連続刊行開始

これまでに7冊の獅子文六作品を刊行してきたちくま文庫ですが、今回のブームを受け、2017年7月から9月にかけて毎月1点ずつ3カ月連続での刊行が急遽決定しました。



【3カ月連続刊行書目】

2017年7月8日刊行『胡椒息子』

解説 :家冨未央(NHK ドラマ部プロデューサー)

カバーデザイン:横須賀拓

カバー装画 :石山さやか

内容紹介 :

牟礼家の次男、昌二郎は12歳。気が優しくて曲ったことが大嫌いなのだが、家族から邪魔者扱いされるので反発して悪戯ばかり。味方はばあやのお民だけ。ある日、誤解と行き違いから異母兄と喧嘩して大怪我をさせてしまい感化院へ……。しかし、そこで出会った友達との生活で本来の気性を取り戻していく。小粒だがぴりっとしたまるで胡椒みたいな少年の成長物語。「悦ちゃん」の翌年に発表された姉弟的作品。





<獅子文六『胡椒息子』ちくま文庫 書影>

2017年8月9日刊行予定『バナナ』

解説 :鵜飼哲夫(読売新聞文化部編集委員)

カバーデザイン:マテリアル

カバー装画 :サヌキナオヤ

内容紹介 :

お金持ちの台湾華僑の息子、龍馬は車が欲しい大学生、そのガールフレンド、サキ子はシャンソン歌手

としてデビューしたいが、青果仲買人の父の許しが得られない。そんな二人の夢を叶えるのはバナナ? ひょんなことからバナナの輸入で金儲けをすることになったのだが、そこへ周囲の思惑が絡み、物語は意外な方向へ!テンポの良い展開に目が離せないドタバタ青春物語。



2017年9月8日刊行予定『箱根山』

解説 :大森洋平(NHKドラマ番組部シニア・ディレクター考証担当)

カバーデザイン:瀬戸内デザイン

カバー装画 :ボブ a.k.a えんちゃん

内容紹介 :

箱根にある二軒の老舗旅館、玉屋と若松屋は先祖代々の犬猿の仲。だが若松屋の娘、明日子と玉屋の若番頭、乙夫は反発しながらも内心惹かれあっている。いがみあう旅館、勃発する跡継ぎ問題、親から紹介された見合い相手、旅館の経営不振、乗り込んでくる都会の大資本…二人の恋の行方と箱根の未来はどうなる?





■ドラマ化 NHK土曜時代ドラマ「悦ちゃん」

獅子文六作品、久しぶりの映像化も決定しています。初期代表作でかつて映画やドラマにもなった「悦ちゃん」が2017年版としてNHK土曜時代ドラマにて放映開始します。



日時 :2017年7月15日(土)スタート

[NHK総合]毎週土曜日 午後6時5分~放送予定(連続8話)

出演 :ユースケ・サンタマリア、平尾菜々花、門脇麦、石田ニコル

脚本 :櫻井剛

原作 :獅子文六『悦ちゃん』ちくま文庫

原作内容紹介:

悦ちゃんはお転婆でおませな10歳の女の子。ちょっぴり口が悪いのはご愛嬌、歌がとても上手で、周りのみんなも目が離せない存在。早くに母親を亡くして、のんびり屋の父親と二人で暮らしているが、そこへ突如、再婚話が持ち上がったから、さあ大変。持ち前の行動力で東京中を奔走、周囲を巻き込みながら最後は驚きの事件が!ユーモアと愛情に満ちた初期代表作。



<獅子文六『悦ちゃん』ちくま文庫 書影>

■ちくま文庫 既刊 獅子文六作品

『コーヒーと恋愛』 2013年 4月10日刊行 解説:曽我部恵一

『てんやわんや』 2014年 4月 9日刊行 解説:平松洋子

『娘と私』 2014年11月10日刊行 解説:牧村健一郎

『七時間半』 2015年 5月 8日刊行 解説:千野帽子

『悦ちゃん』 2015年12月 9日刊行 解説:窪美澄

『自由学校』 2016年 6月 8日刊行 解説:戌井昭人

『青春怪談』 2017年 1月10日刊行 解説:山崎まどか





■獅子文六プロフィール

獅子文六(しし・ぶんろく)

1893―1969年。横浜生まれ。小説家・劇作家・演出家。本名・岩田豊雄。慶應義塾大学文科予科中退。フランスで演劇理論を学び日本の演劇振興に尽力、岸田國士、久保田万太郎らと文学座を結成した。一方、庶民生活の日常をとらえウィットとユーモアに富んだ小説は人気を博し、昭和を代表する作家となる。その多数は映像化された。『コーヒーと恋愛』『てんやわんや』『娘と私』『七時間半』『悦ちゃん』『自由学校』『青春怪談』以上、ちくま文庫より7冊を刊行。日本芸術院賞受賞、文化勲章受章。

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