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「さよなら」と「ありがとう」 スカイレール、26年の歴史に幕


 広島市安芸区の住宅地を走る全国唯一の公共交通機関「スカイレール」が30日、ラストランを迎えた。1998年8月の開業以降、住民を運んできたまちのシンボルは正午すぎ、最終便が「みどり中央駅」に到着。駅前に集まった住民らは写真を撮影するなどして別れを惜しんだ。

 みどり中央駅には午前11時半ごろから、最後の運行を見ようと、多くの人が集まった。広島市東区の小学4年、是枝凜星(りんせ)さん(9)はニュースで廃止を知り、この日初めて乗車した。「山がたくさん見えて、すごく楽しかった」と喜ぶ一方、「また乗りたいのに残念」とさみしそうな表情も浮かべた。住宅地に住む林建壮さん(80)「通勤時に利用するなど長年お世話になった。廃止はしょうがないけど、ものすごくさみしい」と話した。

 スカイレールはニュータウンの「スカイレールタウンみどり坂」にある「みどり中央駅」と、高低差160メートルの最寄りのJR山陽線瀬野駅に接続する「みどり口駅」間1・3キロを約6分で結ぶ路線。約2200世帯、約7200人の足として2021年度は約47万6000人が利用した。

 午後0時5分ごろ、最終便がみどり中央駅に到着すると「さよなら」「ありがとう」と声があがり、拍手が巻き起こった。運営会社のスカイレールサービスの村松明彦社長(63)は「25年以上、無事故で運行を担った社員と、スカイレールを愛してくれた住民の皆さんに感謝を申し上げたい」と、駅前に集まった人たちに謝意を述べた。

 同社は「リニアモーターとロープウエーを組み合わせた、世界でも類をみない交通システムで貴重」として、広島市に市交通科学館で車両などを展示・保存するよう求める要望書を今月提出した。市の担当者は「資料としても価値が高く、交通の歴史を大事にしたいということで思いも合致している」と、展示を前向きに検討しているという。

 地元のみどり坂小の児童がスカイレールをデザインしたマンホールが団地内13カ所に設置され、村松社長は「スカイレールの歴史や思い出を記録として残せるのはうれしい」と述べた。【安徳祐】

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