3日午前に発生した台湾東部を震源とする地震では沖縄県各地に津波警報が発令され、住民や観光客らが高台に避難した。海に面した那覇空港（那覇市）では旅客機の離着陸を一時停止し、航空機の欠航や遅れが相次いだ。
那覇市中心部の高台にある公園には近くのオフィス街や保育園などから200人以上が次々と避難。ペットの猫2匹を連れた女性（57）は「初めはアパート屋上に避難したが、大勢の人が高台に向かうのが見えて不安になり、公園に来た」と話した。
沖縄県本部町の沖縄美（ちゅ）ら海水族館では、館内にいた客らのスマートフォンが一斉に鳴り響き、韓国人旅行者の集団からは悲鳴が上がった。客らは職員の誘導で近くの高台に避難。「海岸付近にいる方は今すぐ逃げてください」。高台からは防災行政無線によるアナウンスが大音量で繰り返し流れた。
県によると、避難中に転倒して2人が軽傷を負った。車で避難しようとする人も多く、県内各地で道路の渋滞が発生した。
那覇空港のターミナルビルでも利用客や職員が3階以上に一時避難。欠航が相次ぎ、航空各社のカウンターがあるフロアは便の振り替え手続きなどを待つ旅行客らで大混雑となった。家族で沖縄を訪れ、大阪に戻る便が欠航になったという会社員の男性（40）は「明日から仕事なので早く帰りたいが、明日の便もまだ決まっていない。ホテルも取れるか分からず、子どもたちも疲れ始めている」と話した。【比嘉洋、喜屋武真之介、長尾真希子】
