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サケの回帰を後押し 秋田の洋上風力発電事業者、稚魚を買い上げ放流


 近年漁獲が難しくなっているサケを秋田県沖で増やそうと、洋上風力発電事業を手がける「秋田由利本荘オフショアウィンド合同会社」は、サケの稚魚を積極的に買い上げ、地元の川への放流量を増やす取り組みに乗り出した。地域貢献策の一環で、将来的には回帰したサケを活用した新規事業も見据える。

 東北各地では、気候変動の影響もあってサケの不漁傾向が続いている。水産研究・教育機構のデータを元に同社が試算したところ、放流した稚魚が成魚となって戻ってくる割合は2023年度(1月末現在)で青森県30%、秋田県32%、岩手県26%、宮城県21%などにとどまり、漁業関係者は苦戦を強いられている。

 このため、同社は資金面などで稚魚の増量を後押しすることで数年後の回帰率の向上につなげたいとしている。過去には安価で取引されていた採卵後のサケも生かし、フレークやおにぎりの具材などとして有効消費できないか検討する。

 鳥海山系を源流とする奈曽川の河口に近い、秋田県にかほ市のふ化場で3月23日、神職による回帰祈願の後に地元小学生らが稚魚約3000匹を放流した。ふ化場を運営する関漁業生産組合の須田寿夫組合長(82)によると、06年ごろには県内にふ化場が10カ所以上あったが、その後後継者不足や施設の老朽化などで減り続け、現在は5カ所になった。

 放流を見守った須田さんは「最近ではこの川に戻る魚は放流時の1%にも満たない。とにかく元気に帰ってきてほしい」と期待していた。

 同社の北浦虎(たけし)さんは「漁業者に利益がもたらされるようしっかりサケを取れる状況にしていきたい」と抱負を語った。放流したサケは男鹿半島沖から北海道を経由してベーリング海や米国のアラスカ沖などを回遊しながら体長約80センチにまで成長し、約4年後に再び秋田沖に向かうという。【工藤哲】

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