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教科書検定、QRコードの先はチェックに限界 国「責任は紙まで」


 文部科学省は22日、2025年度から中学校で使われる教科書の検定結果を公表した。今回の検定では、紙の教科書には最低限のコンテンツを載せ、二次元コード(QRコード)を使ってリンク先に多くの情報を流す動きが強まった。検定が対象とするのは原則、紙の記述で、教科書会社がデジタルシフトを進めれば、検定の目が行き届かない部分が出てきそうだ。

 文部科学省の教科書検定基準では、QRコードを載せる場合、教科書の内容と密接な関連があり、出版社の責任で管理できるウェブサイトをリンク先にすることなどを求めている。

 ただ、紙の教科書とQRコードから移った先のデジタルコンテンツでは、チェックの厳しさが大きく異なる。紙の教科書では、誤字脱字や体裁の統一性などの細かい点まで問題を指摘するが、デジタルコンテンツは「児童生徒に不適切であることが客観的に明白な情報」(検定基準)でなければ、検定で修正を求めることはない。

 文科省教科書課は「検定の責任範囲は紙まで。その外の内容に意見をつけるのは限界がある」と説明。デジタルコンテンツの質の確保は基本的に、教科書会社の自主性に委ねられており、他の「教材」と同等の位置づけだ。

 今回、教科書各社は教科書外のデジタルコンテンツを従来の中学教科書の数倍に増やした。国の「GIGAスクール構想」で小中学生に1人1台のデジタル端末が配られ、音声や動画、豊富な資料を使った授業が求められるようになった。

 教科書を教育委員会に採択してもらえるよう、紙幅を気にせず、情報量を増やせる教科書外にコンテンツを収める流れが強まる可能性は高い。これは検定基準上は紙に載せられない内容でも、QRコード経由で教科書外に移してしまえば、「問題のあるコンテンツが子供の目に触れるようになる可能性もあり得る」(教科書課)ことも意味する。

 ある文科省幹部は「教科書から飛べるコンテンツが莫大(ばくだい)に増える中で、それらに問題のある内容が紛れていないとは言い切れない」と懸念を口にした。【深津誠】

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