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ナワリヌイ氏の遺体埋葬方法、母がロシア当局の提案拒否 追悼式要求


 北極圏の刑務所で死亡したロシアの反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の広報担当者は24日、ナワリヌイ氏の遺体が母リュドミラさんの元に引き渡されたと公表した。ロシアの司法当局は遺体の引き渡しを拒否してきたが、死後9日目にしてこの件では折れた形だ。ただし葬儀の日程や方式は決まっておらず、死因についても解明にはほど遠い事態が続いている。

 当局はこれまで、リュドミラさんに対し、遺体について、密葬し秘密裏に埋葬するよう要求してきた。同意しない場合は「遺体がどうなるか分からない」「刑務所内へ埋葬する」などと圧力をかけていた。

 一方、リュドミラさんは埋葬方法への同意を拒否。慣習に従った葬儀と追悼式の実施を認めるよう当局に求め、支持者らに対して、「別れを告げる機会をもってほしい」などと話していた。広報担当者は遺体の返還を受け、「家族が求めるような葬儀を実施した場合、当局の干渉があるかどうかは分からない」と説明している。

 ロシア国内では今月16日にナワリヌイ氏の死去が発表された後、首都モスクワや第2の都市サンクトペテルブルクを中心に各地で追悼の動きが拡大。一部国民はソ連時代に政治弾圧で犠牲となった人たちの記念碑に花を手向けるなどした。ロシアの人権団体「OVDインフォ」によると、19日までの4日間に39都市で約400人の拘束が確認された。

 プーチン政権は3月15日から始まる大統領選の投票を控え、ナワリヌイ氏の葬儀が公開形式で催された場合に、反政権の動きにつながらないよう警戒を解いていない模様だ。またナワリヌイ氏の追悼がウクライナで続けている「特別軍事作戦」に反対する声とリンクしないようにも努めているとみられる。

 ナワリヌイ氏の遺体を巡っては、死亡した当初から遺族らが返還を求めていたが、当局は死因が確定していないことを理由に拒否。その後、14日間の「化学検査」を実施するなどと遺族らに通告していた。当局がナワリヌイ氏の遺体の速やかな返還を拒んできたことから、支援者や遺族の間では、収監されていた刑務所の関係者らが死に直接関与した可能性もあるとの見方も出ていた。

 死因について、当局は公式に発表していないが、事件性については否定している。リュドミラさんらが17日にナワリヌイ氏が収監されていた刑務所を訪ねた際には「突然死症候群」と説明を受けており、その後に当局側が示した死亡診断書には「自然死」と記載されていた。当初、複数の地元メディアが死因について「血栓症」と報じるなど、情報の錯綜(さくそう)が続いている。【モスクワ山衛守剛】

<ナワリヌイ氏死去を巡る出来事>

2月16日 ナワリヌイ氏が収監先の刑務所で死亡

  17日 母親らが刑務所を訪れ、「突然死症候群」と説明される

  19日 司法当局が遺体について14日間の「化学検査」の実施を伝達

  21日 母親が遺体安置所で遺体と対面し、死亡診断書に「自然死」の記載を確認

  24日 当局が母親に遺体を返還

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