尹大統領、徴用工問題「日韓企業家が協力を」 日韓関係は「復元」

　韓国の尹錫悦（ユンソンニョル）大統領は7日夜に放送された公共放送KBSの番組で、日韓関係に関して、「すでに復元され、今は未来に向けて進んでいるところだ」との認識を示した。岸田文雄首相については「とても正直で誠実だ。合意や約束をした場合は、必ず守る。そんな指導者だ」と述べた。

　日韓関係の懸案となってきた徴用工問題をめぐっては、韓国最高裁が、被告の日本企業に対する賠償命令を相次いで確定させている。尹氏は同様の判決が「今後も出る」との認識を示し、「韓日関係の正常化を望む両国の企業家たちが協力し、それに対する多様な評価がある」とも述べた。

　元徴用工訴訟を巡り、尹政権は昨年3月、韓国政府傘下の財団が賠償金支払いを肩代わりする解決策を発表している。発言は日本企業による財団への拠出を期待したものとみられる。日本政府は1965年の日韓請求権協定で「元徴用工らへの損害賠償を含む問題は解決済み」との立場をとっている。

　KBSのインタビューは、事前に録画された。【ソウル坂口裕彦】