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能登地震で被災地に移住した女性タクシー運転手


 能登半島地震で大きな被害を受けた、石川県輪島市門前町で唯一のタクシー会社に地震後、一人の女性が就職した。埼玉県坂戸市から、トヨタのタクシー向け車両「ジャパンタクシー」で駆けつけたのは安沢美佳さん(47)。いつか陣痛タクシーをしたいとマイカーとして購入していた。「人から必要とされる存在でいたい」。そんな思いをもって働いている。

 飲食業や保育園の経営、タクシー運転手などさまざまな仕事を経験した。防災士や介護士などの資格も持つ安沢さんは、地震によって被害を受けた地域をテレビで見て「行けば何かできることがあるかもしれない」と考えた。知人の紹介で、門前町に4日夜着くと「鳳南タクシー」の看板を目にした。鳳南タクシーは車両の被害は免れたが、運転手が被災し誰もいないことを知ると、翌日には下沢芳明社長(56)を訪ねた。下沢社長は「とてもじゃないが、最初は断った」と話すが、面接を通して安沢さんのやる気やタクシー車両で駆けつけたことへの信頼を感じたことや、運転手がいない状況も相まって採用を決めた。

 営業を行うための必要な手続きを行う一方で、安沢さんは輪島市に転入した。「もし、ここで私に何かあった時、社長に迷惑をかけず、行政のサポートが受けられるように」と理由を話す。避難所のトイレ掃除や、持参した生理用品の配布などを行いながら12日に営業に必要な手続きを終えた。現在は避難所で過ごす被災者の病院への送迎や住民の買い出しを1日数件担当する。下沢社長は「この地域では珍しい女性ドライバー。丁寧で気が利く接客をしている」と働きを評価する。

 今は会社の車で仕事を行っているが、安沢さんの「ジャパンタクシー」も福祉タクシーとしての登録を進めている。福祉車両として登録することで一般のタクシーと異なり、より広い地域で営業を行うことが可能となる。「(登録後は)石川県内で営業することができるようになる。被災した人が少し離れた家族の元に行く際などいろいろなことに使ってもらいたい」と話す。

 まだ街に被災の傷痕が強く残り、先のことは深く考えていないというが、しばらくは被災地の足となる覚悟だ。【藤井達也】

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