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旧田中角栄邸火災 真紀子さん落胆「父が一番気に入っていた」


 東京都文京区目白台1の田中角栄元首相(故人)の旧邸宅敷地内の建物2棟などが燃えた8日の火災で、角栄氏の長女で元外相の真紀子さんが12日、毎日新聞の電話取材に応じた。「あの建物は大事でした。私の兄が(幼い頃に)亡くなった時に住んでいた前の家とそっくりでした。お父さんが一番気に入っていたものです」と落胆した様子で語った。

 真紀子さんは、一家が約70年前に邸宅に住み始めた経緯を明らかにした。角栄氏は前の家と似た邸宅を東京中まわって探していたという。小学4年生の時、角栄氏から「ついに見つけた。今すぐ運転手を行かせるから目白に来なさい」と電話があった。到着すると、角栄氏から「ここ、どう思う? お前が気に入ったらここを買うから」と尋ねられた。真紀子さんが「お庭にクロッカスやチューリップが咲いてて、同じね。広さも同じね」と応じると、「分かった、ここがお前のついの住み家だ」と言われたという。「ついの住み家って何?」と聞くと、「死ぬところだ」と答えたという。真紀子さんは「ええーっと思ったけど、それから70年も住んでるのよ」と語った。

 火災では敷地内にある建物2棟計約800平方メートルや建物南側の雑木林約10平方メートルが焼けた。出火当時、真紀子さん夫婦がいたが、避難して無事だった。真紀子さんは「身近にあった書物とか、書類は全部燃えました。火が回るのは早かったです」。一方で「陛下にいただいた銀杯、勲章とリボンも焼け焦げているけど、出てきました」と言う。母が大切にしていたという、嫁入り前のたった1個の指輪も見つかり、角栄氏の胸像の半分も焼失を免れ、「もうそれで十分です」と語った。

 真紀子さんは当初、「線香を上げていた」と説明していた。毎日新聞の取材には「線香って危なく、灰の中でも燃えて残り火があるそうです。ろうそくは確かに消したのですが、線香も消さないとダメなんですって」と述べた。警視庁や東京消防庁は出火原因を調べている。

 与野党の政治家から火事見舞いの電話が相次いだが、「そんなことより一日でも早く国会を召集して能登半島地震の被災者を助けてほしい」と返しているという。旧邸宅はかつて、政財界の大物が出入りして「目白御殿」と称された。【奥村隆】

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