日米英など主要7カ国(G7)を含む約50カ国・地域の外相らは9日、北朝鮮がロシアに弾道ミサイルを供与したとして「可能な限り強い言葉で非難する」との声明を発表した。ロシアは調達した弾道ミサイルを2023年12月30日と今年1月2日のウクライナへの攻撃に使用したとも批判した。
声明は、ロシアへの兵器供与は「ウクライナの人々の苦しみを増大させ、ロシアの侵略戦争を支援する」と非難した。弾道ミサイルの使用は供与した北朝鮮に軍事・技術的な知見を与えるとし、ロシアと北朝鮮の軍事協力が「世界の安全保障に与える影響を深く懸念する」と強調した。北朝鮮からロシアへの弾道ミサイルの供与は国連安全保障理事会の決議違反とも指摘し、「ロシアが見返りとして何を提供しているか注意深く監視している」とけん制した。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は4日の記者会見で、ロシアが北朝鮮の弾道ミサイルをウクライナへの攻撃に使用したとの情報を公表。北朝鮮が見返りとして、戦闘機や地対空ミサイル、装甲車、弾道ミサイルの生産設備などの提供をロシアに求めていくとの見方も示していた。【ワシントン鈴木一生】