新型ロケット「H3」2号機、2月打ち上げ 初号機失敗後に対策

　宇宙航空研究開発機構（JAXA）は28日、新型主力ロケット「H3」2号機を、来年2月15日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げると発表した。H3の打ち上げは、今年3月に初号機で失敗して以来約1年ぶりとなる。

　H3は国産基幹ロケットH2Aの後継機。JAXAは3月に初号機を打ち上げたが、2段目エンジンに着火せず指令破壊した。搭載した地球観測衛星「だいち3号」も失った。

　2号機にはロケットの性能を確認する機器を搭載する。また、超小型衛星2機を相乗りさせる。このうちキヤノン電子の光学衛星「CE―SAT―1E」はカメラで地上を撮影する。もう1機は宇宙システム開発利用推進機構などの「TIRSAT」で、赤外線センサーで地球を観測する。2機でだいち3号の役割を補うことが期待される。

　打ち上げ失敗後、JAXAと文部科学省は対策本部を設置。原因調査の結果、エンジン点火装置などの電気系統でショートや過電流が生じていたことが判明し、着火装置の検査強化や、一部の電子部品を取り除くなどの再発防止策を2号機の設計に反映させた。【田中韻】