奈良・国道の土砂崩れ 現場で車1台発見 車内に閉じ込めの可能性も

　奈良県下北山村の国道169号で起きた土砂崩れで、県は26日、土砂の中に車1台が埋まっているのを確認した。車内に人が閉じ込められている可能性が高く、奈良県警や地元消防は現場の安全確認をしたうえで救出活動を急ぐ方針だ。

　崩落した斜面の岩や土砂が新たに崩れる2次災害の恐れがあるとして、県は遠隔操作が可能な無人の重機を投入し、斜面に残る岩や国道を塞いだ土砂の撤去を進めていた。

　土砂崩れは23日夜に発生。国道脇の山の斜面が高さ約40メートル付近から、幅20～30メートルにわたって崩れた。軽乗用車が巻き込まれ、運転していた50代の男性が足を負傷。消防が現場周辺を赤外線カメラで調べた結果、軽乗用車から離れた場所で熱反応があり、別の車も被害にあった可能性が高いとみられていた。

　県警吉野署には24日、和歌山県に住む70代男性の家族から「父親と連絡が取れない」との相談が寄せられていた。26日に確認された車のナンバーや車種は、この男性の車と一致しているという。【川畑岳志】