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「何に使われたのか」 キックバック疑惑の谷川氏に後援会長は困惑


 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る問題で、所属する清和政策研究会(安倍派)から数千万円のキックバック(環流)を受けた可能性があるとされる谷川弥一衆院議員(82)=長崎3区=の後援会長、島信行さん(84)=長崎県大村市=が毎日新聞の取材に応じた。島さんは「(キックバックの)中身がどうだったのか、何に使われたのか、我々も知りたい」と訴える。

 「キックバックは青天のへきれきで、我々後援会は全く知らなかった。政治資金収支報告書に記載されなかったのは極めて不適切であり、非常に残念だ」

 谷川氏の地盤で後援会事務所のある長崎県大村市内で取材に応じた島さんは、ジャケットを羽織り、背筋を伸ばしながら、かくしゃくとした様子で語った。

 島さんは元々、海上自衛隊のパイロットだった。大村市内の基地に勤務していた55歳の時に退官し、地元の商工会議所の専務理事に就任。その後、当時の市長に請われて市助役を4年間務めた。後援会長は前任者に頼まれ、約12年前に就いた。

 島さんが谷川氏を支えてきたのは「地元に貢献してくれている」という思いからだった。道路整備や災害復旧、大村にも新駅ができた九州新幹線長崎ルート(西九州新幹線)の整備など、今でも「一生懸命やってくれた」と感じている。

 一方、谷川氏へのキックバックが数千万円に上る疑いがもたれていることに「キックバックの倍ぐらいの額(のパーティー券)を売っていることになる。びっくりした」。そして「どうやってそんな額の券を売ったのか、分からない」と困惑する。

 谷川氏の人物評は「正義感が強く、勉強家」。谷川氏が「世話になった人に恩を忘れてはいかんよ」と周囲に語っていたことや、谷川氏が新聞を1日4時間読み、移動中の車内でも切り抜きをしているという話を聞いたこともある。

 ただ、選挙前こそ谷川氏本人と連絡を取るものの、それ以外は接点が乏しく「いつ長崎に帰ってくるのかも全く分からない」。今回の疑惑の浮上後も、谷川氏からの連絡は「全くない」といい、疑惑を受けて集まった報道陣に谷川氏が「頭悪いね」と言ったと報じられたのを聞き「本当にショックを受けた」と明かす。

 次期衆院選で谷川氏は、小選挙区定数の「10増10減」で長崎が4から3へと1減することに伴う候補者調整の結果、比例九州ブロックへと転出する予定になっている。

 12月初めには谷川氏の在職20周年の祝賀会を、島さんが主催して開いたばかりだった。島さんは「やってもらったことの恩は忘れないが、一生懸命に応援してきた結末がこうなってしまい残念だ。私を含めて後援会のみんな、わびしい気持ちです」と肩を落とした。

 問題発覚後、谷川氏の事務所は「慎重に事実関係を確認し、適切に対応する」とのコメントを出している。【松尾雅也、川島一起】

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