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「ラーメン支出額日本一」 聖地名乗る山形、連覇へ冷めない情熱


 ラーメンの年間支出額日本一の山形市で、“ラーメン町おこし”が加速している。地元店主らと市が協力し、PRに向けた協議会を発足。2022年の家計調査で日本一を奪還し「ラーメンの聖地」を宣言した2月8日を「ラーメンの日」に制定した。23年の支出額も10月時点で首位をキープしており連覇は目前だが、官民の熱は冷めやらない。

まさかの2位転落に「危機感」

 「ラーメンは人と人とをつなぐ素晴らしい食べ物。行政と力強くタッグを組み、活発に意見交換しながら山形市を盛り上げたい」。地元ラーメン店有志による「『ラーメンの聖地、山形市』を創る協議会」の発足総会が12日開かれ、初代会長に就いた人気店「麺辰」店主の鈴木敏彦さん(47)は、Tシャツやエプロン姿の仲間たち約80人を前に宣言した。

 きっかけは21年の家計調査で日本一の座をライバルの新潟市に譲り渡したことだ。それまで8連覇中だったが一転、まさかの2位陥落に「魅力を伝えられていない」と危機感を覚えた鈴木さんら店主グループが立ち上がり、市の支援も得ながら店の垣根を越えて訴求し、翌年の首位奪還につなげた。今年は愛称の「山ラー」と書かれたのぼりを各店頭に掲げ、さらなる消費拡大も図っている。

「ラーメンの日」に企画も温め

 新潟市とのライバル対決で得た勢いを持続させようと、協議会は2月8日を「山形市ラーメンの日」に制定した。首位奪還を祝って店主らが「ラーメンの聖地」を宣言した記念すべき日で、市は24年の同時期に初のラーメン催事を計画中。「ラーメン給食」などのアイデアも温めている。

 協議会は山形の多様なラーメンを国内外に発信し、消費拡大や観光誘客を狙うが、それには確固たる日本一の地位が欠かせない。

 総務省の家計調査を、都道府県庁所在地と政令指定都市を対象に山形市が独自に集計したところ、23年のラーメン支出額(2人以上世帯)は直近10月までで、山形市がトップの1万4182円。新潟市が1万2493円と、1689円差で2位につけている。

夏の「冷やしラーメン」で逆転

 実は、23年前半は、しょうゆ、みそ、カレーなどの「5大ラーメン」で知られる新潟市がリードしていた。7月時点で1位新潟市と2位山形市には328円の差があったが、風向きが変わったのは8月。記録的猛暑で支出が伸び悩んだ新潟市に対し、山形市は消費が落ちずに逆転した。氷入りの名物「冷やしラーメン」が決め手になったとみられ、地元関係者は「夏以降に消費が伸びるのが山形の強み」と胸を張る。

 11月以降は暑さも落ち着いたため、新潟市の巻き返しが予想される。3位仙台市(1万697円)の存在もあなどれないが、佐藤孝弘市長は総会で「ライバルと競い合い、また1位になれる」と語り、連覇に自信をのぞかせた。【神崎修一】

山形のラーメン

 山形市発祥の「冷やしラーメン」をはじめ夏場でも人気店には行列が絶えない。牛骨しょうゆや辛みそ、魚介系など多様な味が楽しめる。そばつゆだしがベースの「鳥中華」を扱うそば店も多い。出前のラーメンで客をもてなす習慣も山形のラーメン文化の特徴とされる。人口10万人当たりの店舗数も全国屈指。

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