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SNSで出会い、突然終わった恋…詐欺だった 国際ロマンス詐欺急増


 あなたに会いたい。けど、会えない……。

 焦(じ)れる恋心を悪用し、外国人を名乗って現金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」の被害が県内で急増中だ。「すてきだ」「結婚しよう」。そんな甘い言葉がSNS(ネット交流サービス)などで次々と届き、ターゲットを取り込む巧妙なやり取りが始まる――。【川畑岳志】

 「偶然あなたの投稿を見つけて、すてきだと思いました」

 奈良県内の40代女性のインスタグラムに今年7月、こんなメッセージが届いた。送り主はアメリカ出身の40代男性を名乗り、今は東京に住んで会社勤めをしていると自己紹介した。

 メッセージを送り合ううちに互いが犬好きだと分かり、女性は気心を許した。自分が話すこと全てに共感してくれ、恋心が芽生えた。女性は現在、一人で子どもを育てるシングルマザー。男性も独り身で子どもがいるという同じ境遇だった。「結婚したら、お互いの子どもに兄弟ができるね」。そんな彼は毎日のように「好きだ」と伝えてきた。やがて「いつか二人で一緒になろう」と言い合うようになった。

 最初のメッセージが届いて1カ月半が過ぎた頃。彼から投資への誘いがあった。最初は断ったが、彼は「一緒に生活していくためのお金を増やそう」などと何度も説得してきた。その言葉を信じた女性は4回にわたり、現金計650万円を指定された口座に振り込んだ。これまで懸命にためてきた生活資金だった。

 しかし、恋の終わりは突然だった。親しい友人に男性の存在を打ち明けると、「似たような詐欺の手口がある」と忠告された。その言葉をすぐには信じられず、男性が送ってきてくれた顔写真を見せた。すると友人は、この顔写真をインターネットで検索。男性とは全く関係がないサイトに掲載されている写真であることが判明した。警察に相談し、自分が「国際ロマンス詐欺」の被害に遭っていたことが分かった。

 「当時は周りが見えなくなっていた。国際ロマンス詐欺というものも知らなかった」と語る女性。しかし、振り返ってみると、直接会おうとするたびに仕事の都合で予定が流れてしまうなど、不審な点もあったという。会話の中で「うそをつく男性は嫌い」と伝えたこともあったといい、「それを知りながら、私をだまし続けていたなんて悲しい」とつぶやいた。

前年比で件数、被害総額2倍 SNSやマッチングアプリ通し接触

 国際ロマンス詐欺はSNSやマッチングアプリで相手に接触。外国人をかたって恋愛感情を持たせ、現金などをだまし取る手口だ。軍人やパイロット、資産家などを名乗り、さまざまな理由で現金を要求してくる。

 県内では今年に入り被害が急増したため、県警は初めて実態をまとめた。その結果、10月末時点の認知件数は前年の8件から約2倍の15件に増加。被害総額もほぼ2倍の2億3669万円となった。

 被害にあった人の年齢層は、40代6人▽50代4人▽60代4人▽70代1人--。このうち12人はSNSでの相手からの接触が発端だった。

 生活安全企画課犯罪抑止対策室の梶祐吾室長は「特殊詐欺は高齢者が狙われがちだが、国際ロマンス詐欺は比較的若い人が被害に遭っている。知らない人からメッセージが届かないようSNSの設定を変更するほか、会ったことがない人とのお金のやりとりは細心の注意を払うなど、対策を取ってほしい」と話している。

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