茨城県牛久市が事務局を務める農業団体の口座で769万円の使途不明金が判明した問題で市は16日、口座を管理していた当時の農業政策課長を14日付で懲戒免職にしたと発表した。市はまた、全庁調査の結果、同課長が春から在籍した商工観光課でも新たに計197万円超の使途不明金が発覚したことを明らかにした。総額計966万6146円にのぼり、市は刑事告訴する方針。
懲戒免職となったのは、同市の神戸千夏課長（53）。市によると、商工観光課長だった4月14日～9月5日、事務局長として資金を管理していた「市観光協会」と「うしくかっぱ祭り実行委員会」両団体の2口座から、部下に命じて計10回にわたって計290万円超を引き出させ、うち128万1146円の使途が不明となった。また7月にあった同祭りの協賛金やイベント売上金など計69万5000円を受領しながら実行委口座に入金せず、自身の財布に入れて費消したなどとしている。
市の調査に対し、課長は「イベントでの出費や課の備品購入のためで私的流用との認識はなかった」と抗弁する一方で、一部の目的外使用を認め「全額弁済する」との意思を示しているという。
市は懲戒免職とした理由について「巨額の現金を手元で管理した上費消し、不明金への妥当な説明がないのは公金横領にあたると判断した」としている。【鈴木美穂】
