日本一短い187.1メートルの国道、なぜ? カギは神戸港と2号線

　港町・神戸を象徴する近代建築として市民に親しまれてきた神戸税関。そのそばを「日本一短い国道」が通っている。長さはわずか187・1メートル。3分足らずで“踏破”できる国道がなぜ生まれたのか。現地を歩いた。

　JR三ノ宮駅（神戸市中央区）から南へ約1キロ歩くと、阪神高速神戸線の高架下に国道174号の標識が見えた。「日本で一番短い国道です」と縦に大きく書き添えられている。ここが入り口だ。

　さらに南へ進むと、神戸税関の玄関前にも同様の標識があり、ここで174号が終わる。二つの標識の間はわずか250歩程度。あっという間に通り過ぎてしまった。

　神戸市によると、174号が国道に指定されたのは1953年。「神戸港と国道2号を結ぶ重要な道路」とされ、当時の長さは約940メートルあった。だが62年に国道2号のルートが変更され神戸港に近づくと、港と2号を結ぶ役割の174号も短縮されたのだという。

　短くても道路幅は広く、神戸港から物資を運ぶトラックや高速道路に向かう乗用車などで交通量は多い。神戸税関の角野裕之広報広聴室長は「今も神戸の物流を支える重要な道路であり続けている」と言う。【大野航太郎】