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公明、「常勝関西」での維新対決に危機感 衆院選 自民と連携強化


 次期衆院選で「野党第1党」を目指す日本維新の会が、着々と擁立作業を進めている。9月末時点で全289小選挙区の半数に迫る138選挙区で公認候補予定者が決まった。中でも「最重要選挙区」と位置付けるのが、これまで擁立を見送ってきた公明党の現職がいる大阪と兵庫の計6選挙区だ。大阪では初めて予備選を導入、前哨戦を勝ち抜いた者が公認を得た。一方、全面対決となる公明は、旧民主党への政権交代ムードのあおりを受けた2009年以来の危機。連立を組む自民党の支援を得て窮地打開に挑む。

 「野党第1党の議席をお預かりする。そういう意味で、大阪のこの四つの選挙区は非常に重要だ」

 9月14日、大阪市内であった大阪維新の会の政治資金パーティーで、日本維新の馬場伸幸代表は声を張り上げた。4選挙区は大阪3区(大阪市西成区など)、5区(淀川区など)、6区(大阪府守口市など)、16区(堺市堺区など)。兵庫2区(神戸市兵庫区など)、8区(兵庫県尼崎市)とともに公明が長年議席を維持してきた所だ。

 維新が従来、擁立を見送ってきたのは党の「一丁目一番地」だった大阪都構想の住民投票で公明の協力を得る必要があったためだ。だが、都構想は2度の否決で頓挫。4月の統一地方選で府議会に加え、初めて大阪市議会でも過半数を得たことで、全面対決にかじを切った。ある維新衆院議員は「6選挙区に限らず、公明との連立に不満を持つ全国の自民支持層を引き寄せられる」とそろばんをはじく。

 予備選を実施した大阪は、無投票だった3区を除く3選挙区で参院議員や府議ら現職議員同士の一騎打ちとなった。党員数は各区で約600~1200人。公職選挙法の事前運動に触れないよう街頭演説は行わず、各議員らが持つ党員名簿などを頼りにした活動や党員のみの集会に限られた。

 集票合戦は激しく、関係者によると、陣営からは「私の名簿の党員に勝手にアプローチした」と抗議の声が上がることも。5区で公認を得た梅村聡参院議員(48)は開票日(8月31日)の2日前にもミニ集会を開き、党員らと意見を交わした。梅村氏は「予備選を通して、少なくとも(5区の)党員800人に名前や政策を知ってもらえた」と手応えを語る。

 迎え撃つ公明は自民との連携を強化し、「政権与党」を前面に押し出す戦略を描く。旧民主が政権交代した09年の衆院選では、小選挙区に擁立した公認候補8人が全員落選。強固な地盤から「常勝」と呼ばれた関西でも議席を失った。

◇茂木氏、菅氏、小渕氏駆け付け

 8月2日、自民の茂木敏充幹事長は大阪市内のホテルであった公明の佐藤茂樹衆院議員(64)の集会に出席。「自民党はこの大阪の3区、佐藤さんを全力で応援させていただく」と力を込めた。佐藤氏は「大阪で勢いある野党候補を相手にするいまだかつてない厳しい戦いになる。自公連立候補の代表として死に物狂いで取り組む」と誓った。

 公明は兵庫でも7月27日、神戸市で建設や運輸などの団体が参加する政策要望懇談会を開催。関係者によると、2、8区の現職も並ぶ中、菅義偉前首相が「公明党が背中を押してくれたおかげで数多くの政策が実現できた」と持ち上げた。

 第2次岸田再改造内閣が発足した9月13日には、8区の公明の集会に、就任したばかりの小渕優子・自民選対委員長が駆け付けた。出席者によると、小渕氏は同区選出だった故冬柴鉄三氏が公明幹事長時代に自公の連立政権が誕生したことに触れ、「当時の首相が私の父(故恵三氏)。尼崎は縁のある土地です」と強調し、こう訴えたという。「ここで維新の勢いを止めてほしい」

 維新は党内の引き締めと有権者に「覚悟」を示す狙いで、次期衆院選で大阪と兵庫の小選挙区では比例代表との重複立候補を認めない案を検討中だ。一方、原則重複を認めてこなかった公明内では、歴史的惨敗への危機感から一部選挙区での容認論も浮上している。【野田樹、藤河匠、井上元宏】

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