中古車販売大手「ビッグモーター」の全国各地の店舗前で街路樹が枯れるなどした問題で、福岡県警は21日午前、器物損壊容疑で県内の5店舗に一斉に家宅捜索に入った。捜査関係者への取材で判明した。街路樹の問題を巡り、同社の店舗が強制捜査を受けたことが明らかになったのは、神奈川県警、警視庁に続き全国で3件目。
捜査関係者によると、福岡県内で家宅捜索に入ったのは、飯塚店(飯塚市)▽小倉南店(北九州市小倉南区)▽古賀店(古賀市)▽春日店(春日市)▽小郡店(小郡市)――の5店。
古賀店では21日午前9時半ごろ、段ボール箱を抱えた捜査員12人が店内に入った。同店の店舗前では切り株などが4本見つかり、原因が分からないものの、周辺の土からは高濃度の除草剤成分が検出されている。
各店舗前の道路を管理する国土交通省や県、市が店舗前の土壌を調べた結果、この5店の近くで高濃度の除草剤成分が検出されるなどしたため、それぞれ県警に被害届を出していた。県などによると、同社は古賀店や春日店については除草剤の使用を認めたが、一部の店舗では「除草剤の使用が確認されていない」などと回答したという。
この問題を巡っては、警視庁と神奈川県警が15日、東京都港区の同社本社にも同容疑で家宅捜索に入っており、指示系統など全容解明を進めている。【佐藤緑平、河慧琳】