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「公開期待されていた」黒部峡谷の新観光ルート、2024年開始


 外部の人は入れなかった黒部峡谷の発電施設管理用トンネルを「黒部宇奈月キャニオンルート」と名付け、富山県が一般観光客を対象にしたツアーを企画している。長野県大町市を出発するなど4種の基本コースを予定。2024年6月の開始を前に、報道機関などに現地を公開した。一部では外に出て、秘境の景色を望むこともできる。黒部峡谷ガイドセンターの山本秀明さん(64)は「公開が期待されていた観光ルート。峡谷の深い所に入り、電源開発の歴史を知ってほしい」と話した。【去石信一】

 ルートは黒部川第3発電所(1940年完成)と第4発電所(63年完成)の建設に伴って掘られたトンネルを中心に、富山県黒部市の黒部峡谷鉄道欅平(けやきだいら)駅(標高599メートル)と立山町の黒部ダム(同1470メートル)の間の18キロ。現在は関西電力が発電所などの維持作業に向かう通路に使い、一般開放していない。

途中、岩盤温度40度の箇所も

 事前公開は、先行開放する富山側から欅平駅をスタート。トロッコ電車で500メートル進み、標高差200メートルを上がる「竪坑(たてこう)エレベーター」へ。下りた先で外の展望台に出ると両県境にある白馬鑓(やり)ケ岳(同2903メートル)が望めた。さらに蓄電池機関車で6・5キロを移動。途中、仙人谷ダムと第3発電所の建設のため地中を掘り進む際、岩盤温度が160度もあって難工事となった箇所「高熱隧道(ずいどう)」を通過した。今でも40度あり、車内でも熱気と硫黄の臭いを感じた。

 ケーブルカーに似た「インクライン」に乗り換え、800メートル進みながら標高差456メートルを上がり、最後はバスで10・3キロ移動。出発から約3時間で黒部ダムに到着した。長野側からは「立山黒部アルペンルート」でここまで入り、逆向きで欅平駅に向かう。

 ツアーは富山県が関西電力と協定を結び、実現することになった。旅行会社が販売する。富山県観光振興室の高田敏暁課長は「1971年のアルペンルート開通以来の観光ルートが黒部にできる。新幹線もあり、北陸に注目が集まることを期待している」と話した。

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