AV契約書を交付せず 救済法違反の疑い、制作者の兄弟を逮捕

　アダルトビデオ（AV）の出演者に契約書を交付しなかったとして、静岡中央署などは16日、大津市石山寺5の映像制作販売業、本田伸太（41）と兄の健太（41）の両容疑者をAV出演被害防止・救済法違反などの容疑で逮捕したと発表した。同署は捜査上支障があるとして、認否を明らかにしていない。

　同法違反容疑での摘発は静岡県内初。逮捕容疑は2022年11月～23年5月、AV制作時に、20代の出演女性3人に撮影内容などを記した契約書を交付しなかった。また、インターネット上の動画販売サイトを通じて、わいせつな動画ファイル53点を不特定多数が閲覧できる状態にしたとしている。

　2月にAVに出演した女性から相談があり、発覚した。同署によると少なくとも約150人がSNSなどを通じて10万～20万円で雇われて、AVを撮影していたとみられる。自宅からは未公開分も含めて数千点の動画ファイルが見つかっており、今後、売り上げの使途などについて詳しく調べる。

　AV出演被害防止・救済法は出演強要などを防ぐため、出演者に対して撮影の日時や内容を記した契約書の交付などを義務付けている。【最上和喜】