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コロナで貸し出し「パルスオキシメーター」未返却、首都圏21万台


 新型コロナウイルスに感染した自宅療養者らに貸し出された「パルスオキシメーター」が自治体に返されていない。毎日新聞が確認したところ、首都圏4都県だけで少なくとも約21万台が未返却になっている。東京都の平均購入価格(1台約5000円)を基に計算すると、約10億円分に相当する。感染再拡大の兆候が見える中、自治体はホームページなどで返却を呼びかけている。

 パルスオキシメーターは血中の酸素飽和度を測定する医療機器。新型コロナの感染が拡大して自宅療養者が急増した2020年以降、療養者の容体急変を早期に把握するために都道府県や保健所を設置する市区が無料で療養者に貸し出していた。1台3500~1万円ほどの購入資金には国の支援金が充てられ、自治体が貸し出しと回収を担当した。

 毎日新聞は6~8月、機器の貸出数が多いとみられる東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏4都県と、4都県内で保健所を設置する38市区に電話や書面でパルスオキシメーターの確保数と返却状況を確認。41自治体から回答があった。

 回答によると、少なくとも延べ計約232万台を貸し出し、未返却は計約21万台あった。41自治体の総保有台数は約120万台で、未返却分は18%に上る。

 東京都は約43万台を確保し、21年1月から23年5月までに延べ約78万人に貸し出した。返却用のレターパックも同封したが、それでも約7万台(16%)が返却されていない。神奈川県は約12万8650台を購入し、延べ約42万台を貸し出したが、3割に当たる約4万台が戻ってきていない。千葉県も確保数の1割、埼玉県は2割程度の未返却分があった。

 自治体によると、未返却者に電話などで返すよう催促したところ「壊れたので破棄した」「紛失した」といった回答があった。【一宮俊介、秋丸生帆】

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