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京都→千葉の700キロ踏破に挑む住職 日本廻国、祈る万民の未来


高徳院住職 星孝芳さん(45)

 昨秋、像高66センチの「お前立ち観音」を載せた大八車型の山車を引き、東京―京都間約500キロを歩き通した。28日からは、本番の修行を意味する「本行」と位置づける復路を歩く。京都の仏師に預けてある約180センチの千倉観音を山車に載せ、南房総市の高徳院まで約700キロの踏破に挑む。

 100年に1度クラスの災害や厄災を乗り越えた後に行われてきた「日本廻国(かいこく)」という宗教行事だ。創建1250年とされる同寺には、歴代住職と弟子たちが日本廻国に出た記録が残っており、17年前に「いつか自分も」と決意した。達成すれば、同寺としては約200年ぶり4回目となる。

 往路は2022年9月28日に東京・日本橋をたち、京都市東山区に到着したのは11月22日。房総半島南部を襲った台風15号の被害から3年、世間はまだコロナ禍に揺れていた。だが、ただ本格復興と疫病退散を祈っただけではなかったという。

 「日本廻国は厄災への対応が一段落した後、先の時代を見据えて行われてきた。私も100年先の国家万民の行く末を祈りながら往路を歩いた」

 先人たちの時代とは道路事情はまるで違うが、幹線道路を人力で進む山車にドライバーたちは寛容だった。低速で併走するトラックの助手席から、ペットボトル飲料が差し出されたことがあった。「一緒に歩かせて」という申し出や、食品の差し入れも相次いだ。

 「災害や厄災に見舞われたとき、この先どう生きるべきかと考える。すると、その目標に向けた行動をとることができる。私の歩く姿から、明るい未来を考えるヒントをつかんでもらえたら」

 復路では宗教観にとらわれないイベントを行いながら、一緒に山車を引いてくれる人を募るという。【岩崎信道】

星孝芳(ほし・こうほう)さん

 1978年、千倉町(現南房総市)生まれ。京都・六波羅蜜寺で奉公しながら種智院大を卒業した。災害復興支援団体「千葉ボラサポート」、地域づくりボランティア「Flower Seed!」の代表も務める。

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