ロシア、徴兵上限27歳から30歳に 担当事務所では放火相次ぐ

　ロシアのプーチン大統領は4日、徴兵対象者の上限年齢を27歳から30歳に引き上げる法律に署名した。2024年1月から実施されるという。英字紙モスクワ・タイムズなどが伝えた。こうした中、最近は徴兵を担当する国内各地の事務所への放火も相次いでいる。

　ロシアではこれまで18～27歳の男性に1年間の兵役が義務づけられていたが、この上限が30歳に引き上げられた。また、プーチン氏は招集された者の出国を禁じる法律にも署名した。

　ロシアではウクライナ侵攻の長期化により、兵士の不足が指摘されている。昨年9月に発令された「部分的動員令」で約30万人が招集された際は、多くの国民が国外に脱出した。

　一方、ロシア独立系メディア「メドゥーザ」によると、7月29日から8月2日までの5日間で、首都モスクワや北西部サンクトペテルブルク、極東ハバロフスクなどロシア全土の徴兵担当事務所や関連施設への放火・放火未遂が少なくとも28件発生した。火炎瓶が投げ込まれるケースが目立つという。ただ、放火に及んだ者の多くは「知らない人物から電話で放火を強要された」などと供述しており、事件の背景は不明だ。【ロンドン篠田航一】