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ロシア、穀物関連施設を破壊 輸出代替ルートへの攻撃を強化


 ウクライナに侵攻するロシア軍は2日、ルーマニア国境に近いウクライナ南部オデッサ州イズマイルの穀物関連施設を無人機(ドローン)で攻撃した。イズマイルはウクライナ産穀物の輸出に使われるドナウ川沿いの拠点。ロシアは黒海を経由する輸出経路の代替ルートへの攻撃を強めている。

 ウクライナ国防省によると、ドナウ川沿いの河港施設の複数の建物が破壊された。ウクライナのクブラコフ副首相は2日、「ロシアのドローン攻撃により、アフリカ諸国や中国、イスラエル向けの穀物約4万トンが被害を受けた」と短文投稿サイト「X」(ツイッター)に投稿した。ゼレンスキー大統領は通信アプリ「テレグラム」に「ロシアのテロリストがまた港や穀物を攻撃し、世界の食料を危険にさらした」と投稿した。

 国営ロシア通信は、「ロシアが攻撃した港や穀物関連の施設には、ウクライナが外国人兵士や武器を配置していた。また海軍の修理施設も攻撃対象となった」と報道した。

 ロシアは7月17日、ウクライナ産穀物を黒海経由で輸出する合意の履行停止を発表。黒海を経由する船舶のウクライナ入港を認めないと主張している。同24日には、イズマイルよりさらに内陸部にあるドナウ川沿いの物流拠点レニの穀物倉庫をドローンで攻撃した。

小麦価格にも影響

 ドナウ川はルーマニアやクロアチア、ドイツなどにつながる国際河川で、昨年2月のロシアによる侵攻開始後、黒海の代替ルートとして輸送量が増えている。ロシアは代替ルートへの攻撃を強めることで、ウクライナ産の穀物輸出を滞らせ、欧米による制裁の緩和を引き出す狙いとみられる。

 イズマイルへの攻撃で穀物供給が不足する懸念が高まったことで、米国のシカゴ穀物市場では2日、小麦の価格が一時約5%上昇した。

 ロシアの攻勢を受け、ウクライナは代替ルートの多様化を進めている。クレバ外相は7月31日、キーウでクロアチアのグルリッチラドマン外相と会談し、クロアチア国内のドナウ川やアドリア海の港を経由するルートを検討することで一致した。

 一方、ウクライナ空軍によると、ロシアは2日未明、ドローンでキーウを攻撃した。ウクライナ軍が23機を撃墜したが、破片の一部が複数の建物を損壊させた。【ブリュッセル宮川裕章】

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