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なぜ?130年以上前の看板、盗まれる 京都・木版印刷の老舗


 京都で江戸時代から続く木版印刷の老舗で、130年以上前から店頭に掲げられていた木製の看板が盗まれた。高額で売却できるとは考えにくく、盗まれた理由は不明。経営者は「長い歴史を見つめてきた大事な看板。一日も早く戻ってきてほしい」と願っている。

 京都市中京区の「貝葉(ばいよう)書院」。経営する9代目の河村敏之さん(62)によると、徳川綱吉が将軍だった1681年に「一切経印房」として創業した。現在も希少な木版の手刷りを続け、仏教の経本などを印刷・出版している。

 盗まれたのは「大般若経 版元」などと記された木製の看板。印刷している「大般若経」の木版を所有する版元であることを示し、貝葉書院として現在の場所に店を構えた1889年から130年以上、店舗の外壁に掛けられていた。

 看板がなくなっていることに河村さんが気付いたのは7月15日の朝、店先の掃除をしている時だった。「何が起きているのか分からなかった」。SNS(ネット交流サービス)用に撮影していた以前の写真を確認すると、10日時点で既になくなっていたという。詳細な時期は不明で、「当たり前の存在だったので、なくなっていることに気がつかなかった」と話す。

 看板は木材にネジで固定され、工具がないと取り外すことはできなかった。木材は大きく削れており、何者かが持ち去る際に傷ついたとみられる。SNSで情報を募ったり、従業員に聞いたりしたが見つからず、府警に被害届を出した。

 河村さんは「なぜあれを盗むのか。130年以上の歴史を見つめてきた看板で、私も小さい頃から見てきたので、残念だ」と話している。【水谷怜央那】

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