静岡県の川勝平太知事が2021年に失言で辞職勧告決議を受け、返上を表明していた給与など約440万円が実際には返上されていなかった問題で、川勝知事は12日、給与返上の意向を改めて示した。県議会6月定例会の最終本会議で発言した。
川勝知事は、給与を返上するとした自身の発言について「給与返上と責任の取り方には関係性がないなどの意見があり、給与を返上するための条例案の提案を見送ったが、提案したいとの思いは変わっていない」などと釈明。今議会で「言行不一致」との指摘を受け、「条例案を審議いただける環境に変わったと認識した」として、9月定例会で給与返上に関する条例案を提出する方針を明らかにした。
この問題を巡っては、川勝知事は21年10月の参院静岡選挙区補欠選挙の応援演説で、御殿場市を「（特産は）コシヒカリしかない」とやゆし、県議会が11月に辞職勧告決議を可決。川勝氏は辞職を否定した上で、「（自分に）ペナルティーを科す」として12月分の給与と期末手当を返上するとしていた。しかし、その後、返上に必要な条例改正はされず、今月3日に公開された知事の所得等報告書で満額支給されていたことが発覚した。【最上和喜、皆川真仁】
