starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

金与正氏、談話で異例の「大韓民国」表記 別の国家と見なす?


 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キムヨジョン)党副部長は10、11日に発表した談話で、韓国を「大韓民国」と表記した。これまで北朝鮮の要人による声明などでは「南朝鮮」などと表記していたため、韓国国内では「韓国を別の国家として見る立場を公式に示したのでは」との見方が広がっている。

 与正氏の談話は、朝鮮半島周辺を飛行する米軍の偵察機を非難する内容。10日の談話では「『大韓民国』の合同参謀本部が米国防総省や米インド太平洋軍司令部の報道官かのように振る舞っている」と表現。11日の談話でも「『大韓民国』の軍部は直ちに口を閉ざさなければならない」などと警告した。いずれも、北朝鮮が強調する際に使うかぎかっこ付きで使用されていた。

 韓国統一省によると、北朝鮮は過去に第三者の発言やメディアの内容を引用する際に「大韓民国」と表現したことはあるが、公式に発表した声明・談話などで大韓民国と呼んだ事例はないという。同省は「北朝鮮の意図と今後の態度を引き続き注視していく」としている。

 2022年5月に発足した尹錫悦(ユンソンニョル)政権は対北強硬姿勢を強く打ち出しており、関係が急速に冷え込んでいる。今回の表現も南北が互いに警告の談話を発表しあう中で出たもので、与正氏は談話で「委任に基づいて厳重に警告する」と金正恩氏の意向であることも示唆した。

 聯合ニュースは従来の南朝鮮という表現は「『同じ民族』または『統一の対象』と見る観点が反映されたもの」だとし、「金正恩政権が金日成政権時代から続いてきた統一戦略を放棄し、『国家対国家』として南北共存に重きを置く政権への転換を宣言したと解釈できる」との分析を伝えた。

 これに先立ち北朝鮮は、韓国・現代グループの玄貞恩(ヒョンジョンウン)会長が北朝鮮東部の金剛山観光地区を訪問する計画を不許可にした。その内容を北朝鮮側の南北間の窓口である祖国平和統一委員会や朝鮮アジア太平洋平和委員会ではなく、北朝鮮外務省局長の談話で発表したため、韓国では「外国のように韓国に接する意味が含まれている」との指摘が出ていた。【ソウル日下部元美】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.