堺市立中学で金品次々に「紛失」 被害届を出さず不適切処理か

　堺市教育委員会は7日、市立三国丘中（堺区向陵西町3丁）で2016年度以降、職員室などから金品が盗まれる事案が複数回発生していたと発表した。前校長の判断で市教委への報告や被害届の提出を見送っており、今春着任した校長が確認し発覚した。紛失したのは13件計約73万円分に上り、同校は堺署に被害届を出した。

　市教委によると、4月下旬、校内のPTA会議室からプリンターがなくなり、校長が複数の教職員から聞き取ったところ、「過去にも金品の紛失があった」と申告を受けた。市教委が同校の全教職員や歴代の管理職に確認したところ、16年度以降、1学年分の学校徴収金約43万円や電動ドライバーなどの備品の紛失も判明。プリンターなど2点はその後、校長が返却を呼びかけたところ、校長室などに置かれているのが見つかった。

　いずれも教職員の不在時は施錠される職員室などで保管されており、多くが紛失時に前校長まで報告が上がったが、前校長が「（警察の）捜査が入ると大事になる」などと判断し、自身や関係した教員らと補塡（ほてん）して警察に被害届を出さず、市教委にも報告していなかったという。【藤河匠】