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「ここは小さなウクライナ」避難民が大阪でレストラン 復興願い


 ウクライナの家庭料理を振る舞う「レストラン ウクライナ.ジャパン」が7日、大阪市阿倍野区にオープンする。キッチンやホールで働くのは、戦禍のウクライナから避難してきた主婦や学生たちだ。店の合言葉は「ここは小さなウクライナ」。レストランを拠点にウクライナの魅力や文化を発信して、復興につなげたいとの願いが込められている。

 大阪メトロ御堂筋線・昭和町駅から徒歩2分。特徴的な水色の建物の扉を開けると、店内にはウクライナ料理に欠かせないハーブの香りが漂う。

 オープンまで1週間に迫った7月初め、店内では白熱した声が飛び交った。「利益は?」「単品でいけるかな」「新しい鍋買った?」。スタッフらが集まってメニューや値段について入念な打ち合わせがされた。

 店のオーナーは、元テレビ局職員の川上洋二さん(54)。ロシアによる侵攻後、ウクライナのために何かできないかと考えた川上さんは「ビジネスと魅力発信の場」としてレストラン運営を思い立った。脱サラ後に避難民を支援する「関西ウクライナ友好協会」(大阪市)とタッグを組んで開店準備を進めてきた。

 店ではウクライナから避難してきた女性8人が働く。そのうち5人は調理スタッフを務める。豚のスペアリブやビーツなどの野菜が入った煮込みスープ「ボルシチ」やウクライナ風ロールキャベツ「ホルプツィ」、ウクライナ風ギョーザ「ヴァレニキ」などといった伝統的な家庭料理を提供する。

 あえて日本風の味付けにはせずに、本場の味を楽しんでもらえるようにした。スタッフは民族衣装をまとい、母国語で「楽しい一時を」と呼びかける。

 店のロゴは、ウクライナ避難民でデザイナーのコロトコヴァ・エリザベータさん(23)=名古屋市在住=が製作した。「1日でも早くウクライナに平和が来るように」との思いで、平和の象徴であるコウノトリがあしらわれている。

 オープンに先立って6月には、セルギー・コルスンスキー駐日大使が訪問し、慣れ親しんだ料理を楽しんだ。大使は「日本の協力をうれしく思う。多くの人が来るのを覚悟して準備してください。おおきに」とエールを送った。

 オープン後にはウクライナの民族衣装や伝統工芸品を販売する専門店も店内に開設予定で、日本語教室やウクライナの子どもたちが参加する絵本製作なども計画されている。

 2022年5月に中学1年の次男と来日したコロミエッツ・ユリアさん(45)は「料理のプロではないけれど頑張りたい。ここに来てウクライナにいる気持ちになってほしい」と意気込む。

 川上さんは「スタッフはここに来ればウクライナの仲間がいる。お客さんに魅力を伝えながらも、自国の話をしたり、食事をしたり、ウクライナ人のコミュニティーの場にもなってほしい」と話す。

 午前10時~午後9時。不定休。問い合わせは同店(restaurant.ukraine.japan@gmail.com)まで。【井手千夏】

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