starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

「コカ」ではなく「コウカ」 本家注意乗り切り 暑い日に甲賀コーラ


 これだけ連日暑いと飲みたくなる。スカッとさわやかなあれだ。「甲賀コーラ」。念のためだが「こうが」ではない。「こうか」だ。ネーミングもさることながら、ラベルまで凝っている。「思わず二度見してしまうような外観にしたかったんです。『ええっ?』ていう感じでね」。甲賀コーラを生み出した滋賀酒造(甲賀市)の専務、原瑞世さん(48)はこう語る。現在、滋賀県内のサービスエリアなどで販売され人気だ。実は「本家」からやんわりと注意もあったが、「攻め」の姿勢としゃれっ気で乗り切ったという。

 甲賀コーラ誕生までをひもときたい。同社は1926(昭和元)年創業の歴史ある蔵元。日本酒に始まり、米焼酎、地ビールも扱うようになり、レストランやコンビニ店の経営など、事業の多角化にも熱心に取り組んできた。

 清涼飲料には縁がなかったが、ちょうど新名神高速道路のサービスエリア建設という好機に巡り合わせた。若い時から地元愛は人一倍。「滋賀や甲賀を県外の人にPRしたいと思ったんですけど、サービスエリアにお酒は置けないので、最初は諦めていたんです。でも、周りの人から『飲みものの仕事をしているんだから、何か作ったら?』と勧められ、せっかくの機会だし、やってみようかと思って」  最初に売り出したのが「滋賀 びわ湖サイダー」。ご当地サイダーがブームになっていたころだ。評判はよかった。だが、しばらくしてから考え込んだ。「甲賀って、びわ湖に面してないなあ……」。気持ちがやや先行し過ぎたようだ。「悪あがきのつもりで、さらに新しい飲み物ができないか、知恵を絞ったんです」と原さんは言う。

 甲賀は忍者の里として知られる。必然、イメージカラーは黒。ひらめいたのは「黒いサイダー」だ。それが甲賀コーラというわけだ。甘さ控えめで、さっぱりした口あたり。酸味をやや抑えている。幾分、薬っぽさが鼻から抜けるような、と言えばいいのか、スッキリ感のある後味。尋ねると「甲賀は薬草の産地でもあるんです。だから、ちょっと薬っぽさを出したくて。でも、あまり出し過ぎてもいけないので」との答え。子どもからお年寄りまでが飲めるバランスの取れた味わいだ。

 特にラベルには力を入れた。友人の同級生にデザインを依頼し、できばえに感心した。ただ、ちょっと攻めすぎた。「(発売から)1年ほどして、本家から『このラベルはちょっと……』と言われましてね」。

 英語で標記していたロゴを「甲賀コーラ」と日本語に変え、本家の了解をもらった。「ぎりぎり大丈夫だと思っていたんですが、勉強不足でした」。原さんの反省の弁だ。

 ラベルをじっくり見ると、手裏剣や忍者の姿を小さくあしらい、遊び心が詰まっている。「笑われてなんぼ、話題になってなんぼ、と思ってるんです」と笑顔で語る。

 甲賀市のご当地キャラクターのグッズがあんまりないと聞き、ラベルを貼り替えて「にんじゃえもんコーラ」も作った。

 甲賀コーラはガラスのビンのボトル(340ミリリットル)に入っていて、レトロな雰囲気。1本281円(税込み)。問い合わせは「滋賀酒造」(滋賀県甲賀市水口町三本柳、0748・62・2001)。併設するコンビニ店「びわこいいみち」(午前7時~午後9時)や滋賀県内のサービスエリア、道の駅、土産物店などで販売している。【中川博史】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.