博物館明治村（愛知県犬山市）で2日、動態保存する蒸気機関車（SL）2両を連結して客車を引く「重連運転」が、7年ぶりに実施された。乗客や来村者らは、迫力あるSLの動きや音を体感しながら約5分間の時間旅行を楽しんだ。
今回の重連運転は、2両のうちの1両「蒸気機関車9号」が大規模修理に伴って運転休止に入るのを前に特別に企画された。米国製の9号は1912（明治45）年製造で、大正から昭和にかけ富士身延鉄道などで活躍した。2日が運転休止前の最終運行日で、もう1両の12号と連結し、客車3両を引きながら明治村内のSL名古屋駅からSL東京駅に向かった。約800メートルの道のりを、時速約10キロのゆっくりとしたスピードで片道3回走行した。
客車に乗車した田中友規（ともき）ちゃん（3）＝同県豊田市＝は「（SLが）ポッポーと話をしているようで楽しかった」と笑顔を見せた。明治村職員の乗り物担当係長、近藤雅隆さん（49）は「乗客の皆さんなどから温かい声援を送っていただいた。9号が大規模修理から戻ってきたら、再び今回のようなイベントをやれるよう整備したい」と話していた。
9号は約2年かけて修理される予定。【兵藤公治】
